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炎上騒動

2022年の炎上騒動から見る事後対応の重要性

2023年03月01日

読了時間目安: 4分20秒


※記事の内容は2023年3月1日時点の情報で執筆しています

2022年は様々な炎上ニュースが世間を騒がせました。
中には人権侵害とも取れるような発言もあります。
今回はその中でも知っておきたい炎上ニュースをまとめました。
再発を防ぐためにも、事例と対策をしっかりと認識しておきましょう。

ファストフード店の役員不適切発言

2022年4月に有名牛丼チェーン店の役員が若い女性をターゲットとしたマーケティング施策について「生娘シャブ漬け戦略」と発言し、不適切な表現であるとして批判が殺到しました。

こちらは某大学で開催された社会人向けのマーケティング講座で発言されたもので、発言の中には「田舎から出てきた右も左もわからない若い女性を無垢・生娘のうちに牛丼中毒にする」というものも。

38万5000円という決して安くはない講座で、自身のキャリアアップを図ろうと考えていた矢先の不適切発言により、希望者には全額返金を行うという対応がなされました。

氏は、4月18日付で牛丼店の常務取締役も解任されています。

たった一言で人生が変わってしまうという、炎上の典型的な一例ですが、今回は人権やジェンダー問題が絡んできてしまっています。

昨今、ジェンダー問題は世界的に取り上げられ、更にはSDGsの達成するべきゴールの一つとしても並べられています。

そのなかでのこういった不適切発言だったことで、より大きな炎上をもたらしたといえるでしょう。

再発を防ぐためにも、メディアに出る可能性がある人は、メディアトレーニングという第三者からの言葉のチェックをしてもらう訓練を行うことも重要です。

ブルーカラーを底辺職として紹介し炎上

2022年新卒向け就職情報サイトが掲載していた記事が炎上しました。

内容はブルーカラーと呼ばれるような清掃スタッフや建築作業員を世間一般での底辺職としてランキング形式で紹介していました。

記事自体は2021年5月に掲載されたものでしたが、2022年6月ごろになってから拡散され、炎上しました。

階層構造を三角形で表現する習慣から、階層構造の一番下のことを底辺と呼ぶ比喩表現があります。

記事内でもそれぞれの職業に対してフォローする内容があったものの、表現方法が不適切であり、現職の方を多く含む人たちから批判の声が殺到しました。
実際にその職業についている人への配慮が足りなかった例と言えます。
また同サイトではその他にも偏差値が低く、Fランと言われる大学を行く意味がない大学として紹介しており、こういった無責任な表現が批判を助長させたとも考えられます。

閲覧数を上げるために過激なタイトルをつけたり、内容とかけ離れたタイトルをつけたりすることは往々にしてありますが、今回の炎上はそれが行き過ぎてしまった結果と言えます。

オウンドメディアなどで記事を制作している企業は、記事を多角的に判断し、配慮した記事制作を心がけなければいけません。



勘違いが批判の対象に

2022年10月11日は国際カミングアウトデー。これは性的マイノリティーであるLGBTQの人を祝い、その権利を求め、社会側の意識の変化を促すための記念日です。

しかし当日、国際カミングアウトデーに合わせて、日本の企業が運営するTwitterアカウントが、商品のあまり知られていない情報を紹介するという投稿を行いました。

性的マイノリティー問題は歴史上不当な弾圧をされるといった経緯もあり、根深い問題のため、軽く扱った当該企業に批判が殺到しました。

翌日には公式アカウントで謝罪の文面が掲載され鎮静化しましたが、企業として投稿を行うことは、それが担当者の思い違いや勘違いだったとしても、批判の対象となる可能性があります。

TwitterやInstagramのアカウントを企業が運営し、情報発信をすることは最近では当たり前の景色になってきました。

企業の情報発信はサイレントクレーマーの減少や攻めのレピュテーションマネジメントに役立ちます。

しかし情報発信をする分消費者との接触回数も増えるため一回一回の投稿に注意が必要です。

今回のケースでは単語の意味を取り違えて炎上してしまいました。

ブームや流行りのスタイルに便乗するのも、親しみやすさを獲得するための方法の一つではありますが、一度立ち止まって適切な使い方をしているかという確認が必要です。

適切な事後対応

上記で紹介したような炎上案件はどれも防げるもので、企業として炎上対応に追われるのは手痛い損失といえるでしょう。

最近では日々あちらこちらで炎上が発生しているため、消費者も事後対応の差に敏感です。

今では「誤解を招いてしまう」という表現を使用することが半ばNGとなっています。

これは、よく謝罪場面で使用されている表現であり、受け取り手が誤解したせいで事態が発展したと責任転嫁するようにも見える表現のためです。

事後対応にもトレンドのようなものがあり、いつまでも同じ対応をしていると「また同じ対応だけど次も似たようなことが発生するのでは?」と思われてしまう可能性もあります。

企業としてはまず炎上することがないようにコンプライアンス研修や投稿する前のダブルチェックを徹底して、その上でもし炎上が発生した場合の、現代に合わせた謝罪対応まで考えておく必要があると言えるでしょう。

まとめ

消費者は企業の動きに敏感で、大量生産・大量消費の時代はすでに終わっています。

昭和・平成初期の企業人としてのあり方があったように現代には現代の企業人としてのあり方が存在します。

企業としての品格も問われ、公式の発言はもとより、プライベートな行動一つでも炎上する可能性があります。

現代では個人が拡散力を持つようになったため、根も葉もない噂が転じて炎上騒ぎになる可能性すらあります。

事前のコンプライアンス研修やルールの厳格化で、できるだけ炎上の可能性を減らしつつ、「今の消費者」が納得するような事後対応もマニュアルとして作っておく必要があるといえるでしょう。