SNS炎上とは|事例から読み解く原因と対策
2025年06月30日
企業がSNSを活用する際には、炎上の原因や防止策を正しく理解した上で、適切に運用していく必要があります。
SNS炎上とは
SNS炎上とは、SNSにおいて、批判や誹謗中傷が集中する状態のことです。
インターネットが発達する前までは「テレビ局や新聞社に抗議の電話が殺到する」といった事象が主流でした。パソコンやスマートフォンが普及した現代において、炎上の舞台はインターネット、特にSNSに代わりました。
SNS炎上が起きることで、そのきっかけとなった発信者が、心理的・経済的な損害を負うことがあります。特に、企業が炎上するとブランド毀損や信用低下といった被害を招く恐れもあります。
SNS炎上の主な原因は、著名人の不祥事をはじめ、極端な発言や賛否両論なテーマ、企業の広告やマーケティング、さらには高校生や大学生といった一般人の悪ふざけなどが挙げられます。このように、多くの人にとって身近なことが炎上のきっかけとなっています。
SNS炎上が取りざたされるようになって以来、その種類や原因、さらにはトレンドが浮かび上がってきました。これらについて、以下で深く掘り下げます。
【炎上とバズるの違い】
SNS炎上のまとめについて理解する前に、SNS炎上と混同されやすい「バズる」との違いについて知っておきましょう。
SNS炎上は批判や誹謗中傷といったネガティブな意見が集中する現象であり、バズるは「特定の事柄(人物や物、発言など)に注目が集中する状態のこと」です。
いずれもインターネット上で起きる現象という点で共通していますが、SNS炎上は批判的であるのに対し、バズるは肯定的な意味で使用されることが多いです。
「バズる」の語源は、英語の「Buzz」です。Buzzは、蜂などがブンブンと飛び回る際に使われる擬音語で、これを用いて多くの人が集まる状況を表した造語が「バズる」です。
【SNS炎上の定義】
SNS炎上には具体的な定義はありません。しかし、総務省は「炎上」について、以下の説明を用いていることから、一般的には同様に解釈されています。
「炎上」とは、「ウェブ上の特定の対象に対して批判が殺到し、収まりがつかなさそうな状態」「特定の話題に関する議論の盛り上がり方が尋常ではなく、多くのブログや掲示板などでバッシングが行われる」状態である”
引用:第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にある Society5.0 (総務省)
SNS炎上の言い換え表現
- ・ネット炎上
- ・ソーシャルメディア炎上
- ・オンラインバッシング
- ・デジタル集団攻撃
- ・レピュテーション危機
- ・ブランド毀損事案
- ・ネット上の風評拡散
企業リスク管理の文脈では「評判リスク」「レピュテーションリスク」と呼ばれることも多いです。
SNS炎上の歴史
SNS炎上の原型はインターネット掲示板文化にあります。
主な流れ
-
-
- ■1990年代
- ・掲示板・個人サイトへの抗議集中
- ■2000年代前半
- ・ブログ炎上が社会問題化
- ■2000年代後半
- ・Twitter普及で拡散速度が激変
- ■2010年代
- ・スマホ普及で一般人も炎上当事者に
- ■2020年代
- ・企業・自治体・学生など全層化
- ・動画SNSによる拡散が常態化
- ■1990年代
-
炎上の舞台は抗議電話 → 掲示板 → SNSへと移行しました。
【製品やサービス上のトラブル】SNS炎上事例3選
近年では、SNSを通じて消費者の声が可視化されやすくなり、企業の対応や姿勢にも注目が集まるようになっています。ここでは、製品やサービスにまつわるトラブルがSNS炎上につながった、代表的な3つの事例をご紹介します。
大手出版社
大手出版社が発行する人気ファッション誌に掲載された「着回しコーデ特集」が、SNS上で物議を醸しました。登場人物である看護師が不倫をしているという設定が、医療従事者の職業イメージを軽視しているとして、医療関係者を中心に強い反発の声が上がったのです。「職業差別だ」「倫理観が欠如している」といった指摘が相次ぎ、X(旧Twitter)やニュースメディアを通じて急速に拡散され、企業への批判が高まりました。
大手飲食店
ある大手飲食チェーンで提供された味噌汁の中に、小動物の死骸が混入していたという内容がX(旧Twitter)に投稿され、大きな騒動となりました。投稿には写真も添えられており、視覚的なインパクトが強かったことから瞬く間にSNS上で拡散。店舗だけでなく運営企業へ批判が殺到しました。衛生管理に対する疑念や不安、苦言を呈する声が相次ぎ、企業は謝罪対応に追われることとなります。ところが、2カ月後に別店舗で商品に害虫が混入する事態が発覚。再び批判の声が高まり、全国の店舗を一時閉店する事態にまで発展しました。
大手菓子メーカー
大手菓子メーカーが製造したお菓子に生きている虫が混入していたという投稿がSNSで話題となり、炎上状態に発展しました。大手菓子メーカーは、投稿から数時間後にX(旧Twitter)の公式アカウントにて「調査を行う」とコメント。その後、該当商品は期間限定かつ当年の発売はまだ行っていないことから、購入後1年以上経過している可能性を指摘し、投稿主に事実確認を実施しました。
すると、メーカーの指摘通り自宅で長期間保存されていたことが判明、投稿主本人からお詫びの連絡をもらったことをXの公式アカウントで報告しました。本件はSNSで炎上したものの、対応が迅速かつ丁寧だった点が高く評価された好例です。また、調査結果の報告時に投稿主への問い合わせやコメントを控えるよう呼びかける配慮も示され、多くのユーザーから企業姿勢を称賛する声が多数寄せられました。
【公式アカウントでの発言】SNS炎上事例2選
企業の公式SNSは、消費者とのコミュニケーションツールとして有効ですが、発言の内容や表現方法によっては炎上の引き金となることもあります。担当者の一言が企業全体のイメージに直結するため、発信前のチェック体制やSNS運用に関するガイドラインの整備が不可欠です。ここでは、公式アカウントでの投稿がきっかけとなり炎上に発展した2つの事例をご紹介します。
大手飲食チェーン店
ある大手飲食チェーンが、エイプリルフールに「全店舗でライスの販売を停止します。誠に申し訳ございません」と投稿。続けて、本部取締役と名乗る人物が「米に対して絶対的な自宿をもっておりますが…これ以上は、価格高騰の波に抗えなくなりました」と引用ポストしました。
どちらも投稿に「#エイプリルフール」と付いていたものの、米の供給不安や価格高騰が深刻な社会問題化していた時期だったため、冗談として受け取られず真に受けた人の問い合わせや批判的な意見が相次ぎました。その後企業は「配慮が足りなかった」と謝罪しています。
大手衣類メーカー
あるユーザーが「破れないストッキングは技術的に作れるが、売ると他が売れなくなるからあえて作っていない」と投稿。これに対し、ある大手衣類メーカーのX(旧Twitter)公式アカウントが「『破れないストッキング』は都市伝説、陰謀論の領域です。作れるんなら作ってます」と反応しました。やや攻撃的とも取れるトーンや、反論を重ねた高圧的な姿勢が問題視され、冷静さを欠いた対応であるといった批判が相次ぎ、SNSが炎上。企業イメージの悪化を招く結果となりました。
その後企業は謝罪文を公開し、ソーシャルメディアに関するガイドラインの遵守や社員教育に努めると表明しました。
【プロモーションやキャンペーンの表現】SNS炎上事例3選
広告のビジュアルやキャンペーンの演出が不適切だと受け取られ、SNSで批判を集めるケースもあります。プロモーションには表現の自由が認められている一方で、受け手の感覚や社会的背景によって誤解や不快感を招くことも少なくありません。
大手出版社
大手出版社が発行する人気ファッション誌に掲載された「着回しコーデ特集」が、SNS上で物議を醸しました。登場人物である看護師が不倫をしているという設定が、医療従事者の職業イメージを軽視しているとして、医療関係者を中心に強い反発の声が上がったのです。「職業差別だ」「倫理観が欠如している」といった指摘が相次ぎ、X(旧Twitter)やニュースメディアを通じて急速に拡散され、企業への批判が高まりました。
大手飲食店
ある大手飲食チェーンで提供された味噌汁の中に、小動物の死骸が混入していたという内容がX(旧Twitter)に投稿され、大きな騒動となりました。投稿には写真も添えられており、視覚的なインパクトが強かったことから瞬く間にSNS上で拡散。店舗だけでなく運営企業へ批判が殺到しました。衛生管理に対する疑念や不安、苦言を呈する声が相次ぎ、企業は謝罪対応に追われることとなります。ところが、2カ月後に別店舗で商品に害虫が混入する事態が発覚。再び批判の声が高まり、全国の店舗を一時閉店する事態にまで発展しました。
大手菓子メーカー
大手菓子メーカーが製造したお菓子に生きている虫が混入していたという投稿がSNSで話題となり、炎上状態に発展しました。大手菓子メーカーは、投稿から数時間後にX(旧Twitter)の公式アカウントにて「調査を行う」とコメント。その後、該当商品は期間限定かつ当年の発売はまだ行っていないことから、購入後1年以上経過している可能性を指摘し、投稿主に事実確認を実施しました。
すると、メーカーの指摘通り自宅で長期間保存されていたことが判明、投稿主本人からお詫びの連絡をもらったことをXの公式アカウントで報告しました。本件はSNSで炎上したものの、対応が迅速かつ丁寧だった点が高く評価された好例です。また、調査結果の報告時に投稿主への問い合わせやコメントを控えるよう呼びかける配慮も示され、多くのユーザーから企業姿勢を称賛する声が多数寄せられました。
【公式アカウントでの発言】SNS炎上事例2選
企業の公式SNSは、消費者とのコミュニケーションツールとして有効ですが、発言の内容や表現方法によっては炎上の引き金となることもあります。担当者の一言が企業全体のイメージに直結するため、発信前のチェック体制やSNS運用に関するガイドラインの整備が不可欠です。ここでは、公式アカウントでの投稿がきっかけとなり炎上に発展した2つの事例をご紹介します。
大手飲食チェーン店
ある大手飲食チェーンが、エイプリルフールに「全店舗でライスの販売を停止します。誠に申し訳ございません」と投稿。続けて、本部取締役と名乗る人物が「米に対して絶対的な自宿をもっておりますが…これ以上は、価格高騰の波に抗えなくなりました」と引用ポストしました。
どちらも投稿に「#エイプリルフール」と付いていたものの、米の供給不安や価格高騰が深刻な社会問題化していた時期だったため、冗談として受け取られず真に受けた人の問い合わせや批判的な意見が相次ぎました。その後企業は「配慮が足りなかった」と謝罪しています。
大手衣類メーカー
あるユーザーが「破れないストッキングは技術的に作れるが、売ると他が売れなくなるからあえて作っていない」と投稿。これに対し、ある大手衣類メーカーのX(旧Twitter)公式アカウントが「『破れないストッキング』は都市伝説、陰謀論の領域です。作れるんなら作ってます」と反応しました。やや攻撃的とも取れるトーンや、反論を重ねた高圧的な姿勢が問題視され、冷静さを欠いた対応であるといった批判が相次ぎ、SNSが炎上。企業イメージの悪化を招く結果となりました。
その後企業は謝罪文を公開し、ソーシャルメディアに関するガイドラインの遵守や社員教育に努めると表明しました。
【プロモーションやキャンペーンの表現】SNS炎上事例3選
広告のビジュアルやキャンペーンの演出が不適切だと受け取られ、SNSで批判を集めるケースもあります。プロモーションには表現の自由が認められている一方で、受け手の感覚や社会的背景によって誤解や不快感を招くことも少なくありません。
ここでは、実際にプロモーションやキャンペーンの表現が問題視され、SNSで炎上した3つの事例をご紹介します。
大手物流企業
大手物流企業が公開した、配達員の男性と受け取る女性のやり取りを描いたプロモーション動画が、女性を揶揄しているとSNS上で批判を集めました。動画は、配達員が玄関先でサインをもらおうとする場面で、女性が「すっぴんを見られたくない」とドア越しに慌てる様子をコミカルに描いたものです。しかし「女性を馬鹿にしている」「すっぴん=恥という前提が問題」「ドアを閉めさせない描写は防犯意識を軽視している」などの声が相次ぎ、SNS上で炎上。ジェンダー感覚や安全配慮への意識の欠如が問われる事態となりました。
その後大手物流企業は動画を削除、X(旧Twitter)公式アカウントで謝罪をしました。
大手食品メーカー
大手食品メーカーがX(旧Twitter)公式アカウントで公開したアニメーション動画が、性的な演出があり不適切であると物議を醸し、SNS上で議論を読んだケースもあります。動画は若い女性が自宅で商品を食べるシーンを描いたもので、露出度の高い服装をしている訳ではありませんでした。しかし頬を赤らめる表現や口元がアップになるシーン、髪を耳にかける仕草などに対して「性的である」「男性視点で描かれている」と不快感を訴える声が投稿されました。
一方、SNS上ではこうした一部の意見を過剰反応であるとし、CM動画を擁護する意見も出ており、リツイートのボリュームが多く炎上状態に見える「エア炎上」であるという見方もあります。こうした事例は、広告表現における視点の偏りや、見る人の価値観の多様性を改めて浮き彫りにしたものといえるでしょう。
大手アパレル企業
大手アパレル企業が展開した広告ビジュアルが、戦争による被害を連想させるとして、SNS上で批判を集めました。壊れた壁や彫刻が散乱している背景にモデルを立たせた構図が、爆撃後の街並みと重なると受け取られたためです。この結果、企業の倫理観や無神経さが問われ、世界中で批判が拡散。不買運動や「#ボイコット〇〇」というハッシュタグがトレンド入りし、大きな波紋を呼びました。
企業は当該広告を削除し、戦争との関連性を否定した上で意図せず不快感を与えたことを謝罪しています。
【ジェンダー差別】SNS炎上事例2選
企業が発信した広告や商品が、性別による固定観念や偏見を助長すると受け取られ、SNS上で炎上するケースもあります。無意識のうちに差別的な印象を与えてしまうこともあるため、ジェンダーに対する配慮は重要な課題です。ここでは、ジェンダー差別との指摘で批判を受けた事例を2つご紹介します。
大手生活雑貨メーカー
大手生活雑貨メーカーが自社ECサイトにて、女性用ショーツはモデルが着用している画像を掲載する一方、男性用および男児用の下着は製品画像のみを表示していたことがSNS上で物議を醸しました。ユーザーからは「性別によって表現に差があるのは不公平」といった批判が寄せられ、炎上に発展。企業側は「意図的なものではなく、顧客からの『着用イメージを知りたい』という声を反映している」と説明しましたが、性別による表現の偏りが指摘される事態となりました。
大手子供服メーカー
大手子供服メーカーが販売した子ども向けTシャツのデザインが、SNSで大きな批判を浴びました。Tシャツには「ママがいい」「パパは全然面倒見てくれない」「パパはいつも寝ている」といったフレーズが記載されており、「父親への偏見を助長する」「男性差別に当たるのでは」といった指摘が相次ぎ、炎上に発展。ウィットに富んだ言葉を特徴とするクリエイターとのコラボ商品として発売されたものの、企業イメージに悪影響を与える結果となり、最終的には該当商品の販売停止に至っています。
2024年に起きた炎上事例
2024年に起きた炎上ニュースを振り返り、原因と対策を学ぶことで、企業が直面しやすいリスクと求められる課題が見えてきます。
2024年炎上事例①:バイトテロ|キッチン内での従業員の不適切な行動
アルバイト従業員が店舗の厨房内での不適切な行動を撮影し、その様子をインスタグラムのストーリーズに投稿。インフルエンサーによって話題となり、X(旧Twitter)で一気に拡散されました。
バイトテロにより企業イメージに大きな打撃を与え、管理体制の甘さが指摘される事態に。
社員や従業員がプライベートで使用するSNSのたった1つの投稿から、大きな炎上へ発展する可能性があるため、従業員教育の重要性が指摘されました。
▼リスクに備える企業が取るべき対策
・従業員への定期的なコンプライアンス研修
・「SNSプライベート利用ガイドライン」の策定と周知徹底
・炎上が起きた場合に備えた危機対応マニュアルの準備
2024年炎上事例②:異物混入|ハンバーガーにネジ混入!驚くべき拡散スピード
購入者が異物混入に気づき、公式アカウントのメンションをつけてXに画像を投稿。1万件以上のリポストがつき、瞬く間に拡散。多くのユーザーから注目を集めました。
本社と店長が謝罪と事実説明を行いましたが、大手ハンバーガーチェーン店のイメージが大きく損なわれ、多くのメディアからの取材要望も相次ぎ、本社からの迅速な対応・事実調査が求められました。
▼リスクに備える企業が取るべき対策
・危機発生時の対応フローを整備
・迅速な初動対応や事実調査が行える危機対応の体制構築
2024年炎上事例③:公式アカウントの不適切投稿|大手家電メーカーの投稿に批判殺到
企業の公式アカウントが一般ユーザーから募集したレシピを紹介する企画の中で、不適切な発言が投稿に含まれており、公式アカウントの運営体制に批判が集中しました。
炎上前まではフォロワーから好印象だったSNS公式アカウントでしたが、この投稿をきっかけにブランドの信頼を大きく損なう結果となりました。
▼リスクに備える企業が取るべき対策
・公式SNSの投稿内容を複数人でチェックする体制構築
・運用担当者に依存しないSNS運用ルールを整備
2024年炎上事例④:SNSリテラシー|社長の不適切な謝罪でネット炎上が加速
とある来園者がXにテーマパーク従業員に関する批判を投稿。後日、社長が個人アカウントのダイレクトメッセージでその投稿者へ直接連絡。その後社長自身のアカウントで、DMの内容を開示する目的で投稿しました。
社長の不適切な発言やDM内の言葉遣いについて、逆に非難が集中してしまい、投稿が拡散されました。
謝罪の仕方を誤ったことで、新たな火種が生まれ、二次炎上に発展し、企業が謝罪文を公式サイトに掲載することになりました。
▼リスクに備える企業が取るべき対策
・経営層に向けたSNSリテラシー向上の研修
・炎上時の見解文発信に関するマニュアル策定
・個人アカウントに関する事案でも、危機管理部門を通した対応ルールを設定
2024年炎上事例⑤:不適切な自社広告|広告配信の画像素材に物議
自社のSNS広告用に制作した画像内に、他社商標を含む素材が使用されており、ユーザーからの指摘によって炎上。
広告主や広告代理店への責任を問う声や、道義的に問題のある行動ではないと擁護する意見もありました。
この問題となった広告用の画像をきっかけに、商標権侵害による法的リスクや、広告自体が「マイナスなプロモーション」となり、企業の運用体制への批判や信用低下を招きました。
▼リスクに備える企業が取るべき対策
・広告素材の権利チェック体制を徹底
・ガイドラインに沿った制作フローを遵守
・代理店に一任せず、自社でもダブルチェックを行う
2024年炎上事例⑥:差別表現への配慮不足|海外メディアが公式Xアカウントに投稿した画像に対する非難が殺到
海外のスポーツ放送局が投稿した公式アカウントの画像に対し、アジア人を不適切に描いた表現が含まれていたことが批判を呼び、SNS上で非難が殺到しました。
結果として、ブランドに対する不信感が広まり、炎上が拡大。特に海外市場での評判が大きく影響を受けました。
▼リスクに備える企業が取るべき対策
・海外市場に向けた投稿では、多文化配慮を徹底
・国際的観点に合わせた表現方法のガイドラインを強化し、差別的なコンテンツの排除
・事前にターゲット市場ごとの文化的背景に配慮したチェック体制の構築
2024年炎上事例⑦:不適切な投稿|公式アカウントのリポスト投稿でユーザーへの問題発言
某靴下販売企業の公式アカウントが「破れないストッキング」に関する一般ユーザーの投稿をリポストした際、その内容に不適切な発言が含まれていたことから、SNS上で批判が集まりました。
リポスト投稿が炎上の火種となり、企業の姿勢に対する疑念を招く結果になりました。
▼リスクに備える企業が取るべき対策
・リポストなどユーザーへのアクションに関するガイドラインを定める
・従業員への定期的なガイドライン周知活動
・SNS運用チームにおけるコンプライアンス研修を強化
2024年炎上事例⑧:危機対応の遅れが二次炎上を招いたケース
某アパレル企業が公式Xで新商品のプロモーション画像を投稿。その画像のデザインが、某人気カードゲームのデザインに酷似していた。コラボではなく無断でデザインを使用していて、商標権の侵害では。との批判があがった。
実際に画像にはコラボ相手の商標やデザインが無断で使用されており、商標権侵害として大きな問題となりました。
▼リスクに備える企業が取るべき対策
・広告素材の権利チェック体制を徹底
・運用担当者に依存しないSNS運用ルールを整備
SNS炎上が起こる原因やメカニズム
SNS炎上をまとめると、SNS炎上が起きる原因やメカニズムは以下のことが考えられています。
【インターネットには多くの人が集まりやすい】
SNS炎上が起きる原因として「インターネットには多くの人が集まりやすい」ことがあります。
パソコンだけでなくスマートフォンを使ったネット接続により、情報へのアクセスや情報発信がこれまで以上に容易になり、それらは若年層から高齢層まで多くの人によって行われます。
インターネットを利用する人たちは、生活環境や教育環境、さらには宗教観といった多種多様な価値観を持っていることから、価値観や論理観の相違が生じ、ネット炎上につながると考えられています。
【匿名性が高い】
ネット炎上が起きる原因のひとつが「匿名性が高い」ことです。ネット掲示板やコメント欄、そしてSNSは、原則として匿名を使って利用可能なため、どのような発言や発信も「バレることはないだろう」または「追及されないだろう」と考える人が生まれます。
「個人を特定されることはない」と思う人たちにより、批判や誹謗中傷、過度な指摘などがなされ、結果的にネット炎上すると考えられています。
【サイバーカスケード現象】
ネット炎上が起きる原因には「サイバーカスケード現象」もあります。サイバーカスケード現象とは、異なる意見や思想を一切排除した閉鎖的な空間を形成する現象のことです。
また、集団による議論後、個々の意見が特定方向に集中および先鋭化する「集団極性化」の一種と定義されています。
つまり、ネット炎上においては、ごく少数の人たちが騒ぎ立てることが、大多数の意見に見えてしまっていると言えます。
仮に、正しくない見解であっても「みんなが言っている」ことを理由に、少数派の意見が過大評価されてしまうこともありえるのです。
企業のSNS炎上を未然に防ぐための対策
数々の事例が示すように、SNS炎上は企業の信用やブランドイメージに深刻なダメージを与えます。発生後の対応も重要ですが、それ以上に求められるのは炎上を未然に防ぐための事前対策です。ここでは、すぐに実践できる炎上防止策を2つご紹介します。リスク管理の第一歩として、ぜひ参考にしてください。
従業員向けの研修・社内規定の策定
SNS炎上の背景には、従業員の無自覚な投稿や不適切な対応があります。これを防ぐには、SNSリテラシー向上を目的とした社員研修の実施が欠かせません。また、SNS利用に関するルールやガイドラインを策定し、社内で明文化・共有しておくことも効果的です。行動の基準が明確になることで、各自が炎上リスクを意識し、トラブルの発生を抑えることが期待できます。
研修や社内規定の重要性についてより詳しくは、以下の記事もご参照ください。
SNS監視ツールの導入
SNS監視ツールとは、X(旧Twitter)やInstagramなどの投稿をリアルタイムで収集・分析するツールです。炎上の火種となる投稿やキーワードを素早く検知できるため、初期段階での対応が可能になります。中には24時間体制で監視できるものや、複数媒体に対応しているものなどがあるため、自社のリスク管理体制や予算に応じて、適切なツールを選定することが重要です。
クレーム対応と炎上対策
クレームを「炎上」に変えるSNSの匿名性と拡散力
従来のクレームは、企業と顧客との間で完結する一対一の関係でしたが、SNSの普及により、その構図は大きく変化しました。
SNSの匿名性と高い拡散力によって、「本来は直接企業に向かう」はずだった消費者の不満が、瞬く間に不特定多数の人々の目に触れるようになったのです。これまでの企業と顧客という一対一の関係を超えて、「不特定多数を巻き込む」集団的な非難へと変化したものが、「SNSの炎上」になります。
クレーム内容の具体例としては、従来の商品・サービス不備に留まらず、CMの内容や表現、店員の態度、公式アカウントの発言など広範囲に及びます。
もし企業が「理不尽」だと思うクレームの内容だとしても、SNS上でそのクレームへの共感が多数派を占める状況になれば、対処法を誤るとさらなる炎上を引き起こしてしまうことも少なくありません。
制御不能なクレームによる炎上発生と対処法
SNS上で世論を味方につけた理不尽なクレームが発生した場合、それを完全に鎮火させる「唯一の正解」は存在しないのが現状です。
このような制御不能なクレームへの対処法は、「炎上してから火を消す」ことよりも、「発生させないための予防措置」を徹底すること 、そして万が一発生した際には、「被害を最小限に抑える初動対応」を行うことが、最も重要となります。
ネット炎上は、いかに迅速な初動対応に取り組めるかで、その後の被害が大きく変わります。まずは、冷静かつスピード感を持って以下の初動対応フローを実施しましょう。
▼炎上発生時に取るべき、3つの初動対応フロー
1. 事実関係の迅速な確認と証拠保全
・何が、いつ、どこで、誰によって投稿されたかを特定し、画面キャプチャや投稿のURLなどをデジタルデータとして証拠を保全する。
・炎上の原因調査と、対処の分析を同時に行う。
2. 関連部門への緊急連携
・現場だけで判断・対応せず、法的なリスクと広報上のリスクを各部門と共有する。
3. 情報発信の準備(迅速性と透明性)
・社内での対応方針が確定次第、「現在、事実確認中」といった状況を伝える一次情報を、迅速に公式アカウント等から発信し、沈黙期間をなくす。
炎上時に企業擁護派を多数派にする戦略
もし企業の考え方とユーザーの考え方に差がある場合、それが炎上を拡大させます。このギャップを埋め、理不尽なクレームを乗り切るための対処法は「企業の考えに擁護派が多数を占める状況」を作り出すことです。
SNS上で理不尽なクレームに関しての議論が活発になると、「企業擁護派」の声も出てくることも多く、ネット世論は均衡状態になるか、擁護派優勢となるケースがあります。
擁護派を増やすために必要なのは、「常に誠実で、誤解を生まない企業イメージ」を平時から見せることです。企業の理念や対応基準が普段から明確であればあるほど、緊急時に第三者(世論)が「この企業が理不尽な攻撃を受けている」と判断しやすくなり、自然と擁護派を増やすことにつながります。
「昔は大丈夫だった」が通用しない現代のルール
近年のコンプライアンス研修において、特に中堅層の方々へ「特に気を付けてください」という注意喚起が頻繁に行われています。これは、社会の価値観が変化し、ビジネスのルールが根本的に変わったためです。
「一昔前までは許容されていた」という認識や、「ちょっとくらい平気」という軽率な判断は、現代では通用しません。
企業が炎上を防ぐには、SNS上で自社と異なる意見が多数を占めた場合、「これまでの自社の考え方が、世間から見たら非常識になっているのではないか」という危機感を持って対処する姿勢が不可欠です。
特に、以下のテーマに関する言動や表現は、即座に世論を味方につけたクレームへと発展し、SNS炎上を招くリスクが高い傾向にあります。
▼炎上の火種となる「異なる考え方」の領域
▪多様性・人権:人種、性別、思想信条、性的指向に関する不適切な表現
▪社会貢献性:環境問題(サステナビリティ)や、地域社会への配慮が欠けていると見なされる行為
▪公序良俗:芸能、芸術、スポーツといった公共性の高い分野に関する安易なパロディや発言
企業として取るべき「最大の予防策」と行動指針
企業として取るべき行動は、テクニックやツールに頼る前に、まずSNSという公共の場での心構えを全社員で共有し徹底することです。
SNSの有効活用について、ある企業様にお伺いしたユニークな心構えをご紹介します。
ある大手製菓メーカーのSNS責任者の方は、「公園理論」を徹底しているそうです。
「公園理論」とは、SNSという公共の場(公園)に「いさせていただく」という意識を徹底し、振る舞いを考える心構えになります。
この「SNSは公共の場」という意識を持つと、「何をすべきか」「何がダメなのか」の行動基準を共通認識することができ、制御不能なクレーム炎上への最大の予防策になるでしょう。
心構えを行動基準に:組織として次のステップへ
しかし、心構えだけでは、現代のソーシャルリスク管理は万全とは言えません。
以下の炎上を未然に防ぐ体制構築を実施することも、企業ブランドを守る重要な防壁となるでしょう。
・社員への教育:共通認識や行動指標を浸透させるためのマニュアル・研修
・基準の明確化:具体的な投稿内容や確認体制などの明確なガイドライン
・監視体制:炎上の火種を早期検知するためのモニタリング体制の構築
企業が抱えるSNSリスクは、業種や事業規模によって異なります。
より具体的な運用ガイドラインや初動対応の体制など、組織のリスク対策を強化したい方は、ぜひ専門家にご相談ください。
炎上発生時の企業がとるべき対応と初動対応準備
炎上対応は初動が重要
炎上が発生しないのが理想ですが、不幸にも発生してしまった場合は、すべての危機管理対応と同様、初動が非常に重要です。炎上の発生に対する初動対応は、以下の流れに沿って行います。
1.炎上事案の事実関係の調査
2.事実の場合の起因と要因の調査
3.影響対象者の把握と対応策の協議
4.対応決定後の速やかな実行(広報対応を含む)
炎上が「事実無根(風評被害も含む)」の場合もあるため、まずは事実か否かの調査を速やかに行います。事実でない場合は「事実ではない」ことを迅速に公表することで、被害拡大を防ぐことができる可能性があります。
一方、事実であった場合は「対策の具体化」が重要です。自社起因の事案では、社内情報を基に「迅速に」かつ「丁寧に」調査することが求められます。事実が後から次々と出てくると対応が遅れ、会見でメディアから矛盾を指摘されがちです。
迅速な初動を妨げる要因
通常、社内のSNS関係部署が炎上の第一発見をするケースが多いですが、その後「他部署を含めた対策関係部署」が対応を協議する必要があります。しかしその際、関連部署の誰にどのように連絡を取り、どのように協議を進めるか、「初動の初動である情報連携」に時間をかけてしまうケースが多く見受けられます。これは「危機管理マニュアル」が社内になく、リスク発生時の対応が主幹部署任せになり、対応の不備や抜け漏れが生じるからです。
他によくある事例としては、最終判断者である社長への連絡が遅れ、事態が悪化することもあります。「たいしたことない」とリスクを過小評価したり、現場から社長に至るまでの階層が多く、途中の職位に連絡が取れなかったりする場合に発生しがちです。
また、炎上は突然発生するため、担当者がパニックになることで対応の遅れを招くケースもあります。
事案の検知から最大でも1時間以内に関係者に第一報が届き、関係者全員が状況を把握している状態が理想です。
危機管理マニュアル整備の重要性
迅速な初動対応のために、危機管理マニュアルを整備しておくことは非常に重要です。その理由としては以下の3点が挙げられます。
1.自社の潜在的リスクの把握(リスク俯瞰図の作成)
潜在的なリスクが「見える化」されることで、リスクに対する認識を社内で共有できます。そこから、発生時の「対応案」まで明確化することで、「発生時の迷い」を減らせます。
2.危機管理発生時の対応者/協議者のアサインと体制構築
事案発生時に慌てないために、関係者を事前にアサインしておくことが非常に重要です。ある企業では、役職者が責任を押し付け合い、対応が後手に回った例もあります。
3.対応方法の見える化
リスク俯瞰図を基にして、「こうなった場合にはこう対応する」と事前に決めておくことで、協議がスムーズに進みます。事前に決まっていないと、協議事項が増え、炎上が加速する中で後手に回るリスクが高まります。
まとめ
企業のSNS炎上は、サービスや表現、発言一つで突如発生し、企業に深刻な影響を与えます。炎上予防のためには、社内研修の実施やSNS利用ルールの整備、リスク要素のある投稿の早期検知が不可欠です。
リリーフサインでは、SNSリスクモニタリングサービス、炎上対策シミュレーション研修、SNSガイドラインの作成支援を提供しています。
ぜひお気軽にご相談ください。
- リリーフサインのリスク対策研修サービス資料はこちら



