炎上騒動・ステマ関連
デジタルリスクへの対策と炎上を防ぐために
2023年04月20日
読了時間目安: 3分
デジタルリスクとは
デジタルリスクは、コンピューターやインターネットを活用することで生じるリスクを指します。
このリスクは、個人情報の漏洩や組織の情報漏えい、サイバー攻撃など多岐に渡ります。
デジタルリスクは近年の技術進歩により増加傾向にあるリスクの一つです。
攻撃方法が多様化していることもそうですが、個人が扱うデジタルデバイスも増え、企業公式SNSなどで炎上して信用を落としてしまうことも含まれています。
そのため、企業や個人がデジタルデバイスを使用することで生じるリスクを回避するためには、常にデジタルリスクに対応するためのセキュリティ対策・コンプライアンス研修が必要です。
【デジタルリスクの主な種類】
デジタルリスクは一般的に以下のような種類が考えられます。
なかには、従業員の意識を変えるだけで防げるリスクもあります。
・セキュリティリスク:ハッキングやウイルス感染などによる情報の漏えいやデータ改ざんなど。
簡単な対策方法としては不用意にメールや、メールに添付されたファイルを開かない事が考えられます。
・プライバシーリスク:個人情報保護法に違反することなど、セキュリティ意識が甘く個人情報が漏洩したケースも非常に多いです。
個人情報の漏洩は特に消費者の気持ちを不安にさせるもののため、取扱いには細心の注意が必要です。
・ビジネスリスク:営業妨害や商標模倣など。
近年ではインターネットでイラストや画像を簡単に入手することができます。
なかには著作権がなく、商用使用しても問題がないものもありますが、多くの作品は使用料を支払わなければ使えません。
インターネットで見つけた画像を不用意に使用すると、損害賠償請求をされる可能性もあります。
・レピュテーションリスク:SNSの運用方法を間違えて、反感を買ったり、不買運動が起きてしまうとブランドイメージ悪化や顧客の信頼低下が発生します。
【対策としてできること】
デジタルリスクへの対策をするためには、デジタルリスクの評価を行い、どのようなリスクがあるのかを明確にすることが大切です。
例えば、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどのセキュリティソフトを使用し、個人情報を管理する際には暗号化などの技術を採用することが大切です。
一定期間でパスワードを変更することや退職者のアクセス権剥奪、ファイアウォールの設置などが含まれます。
また、サイバー攻撃からの保護には、定期的なセキュリティアップデートや脆弱性診断などが必要です。
従業員がデジタルリスクに対する認識を深め、対策を行えるようトレーニングを行うことが重要です。
定期的なコンプライアンス研修や事例の紹介を通じて、危機意識を常日頃から意識できるようにしておきましょう。
企業体力がある場合は、第三者委員会を設置して、デジタルリスクに対する対策を継続的に監査し、適切な対策ができているかを調査、適宜改善することが重要です。
これらの対策を踏まえて、デジタルリスクに対して包括的に対応することが大切です。
炎上事例
【Webサイト改ざん】
某私鉄の新型コロナウイルス感染症に対しての注意喚起ページが不正に書き換えられていました。
同ページにアクセスしようとすると、全く関係のないカジノサイトが表示されるように改ざんされていました。
この状況は約2週間ほど継続していたと見られています。
Webサイトの改ざんは愉快犯の可能性も高いですが、悪質なものだとウイルスに感染して個人情報が抜き取られる可能性もあります。
また、企業としても信頼を失う可能性があり、見過ごすわけにはいけません。
ハッキングなどのサイバー犯罪は、管理者権限のデバイス制限やIPアドレスの制限、パスワードを管理することである程度は防げます。
どのような企業でも攻撃の対象であるということを意識して、セキュリティ意識を高めましょう。
SNSでの不適切投稿
2015年にトラベル会社が有名人に対して容姿をけなす内容のリプライを投稿しました。
すぐに投稿は消されましたが、もちろん企業には批判の声がよせられました。
原因は不明とのことですが、ハッキングによるなりすましか、担当者が個人のアカウントと間違えて投稿したかのどちらかが原因と見られています。
公式SNSの運用には細心の注意が必要です。
この事例の他にも、個人用アカウントと間違えて投稿したものは複数確認できました。
再発を防ぐためにはSNS運用ルールの改善が必要です。
たとえば、公式SNSを運用する際は社用スマホ・PCからしか投稿できないようにルール化するなどです。
パスワードやアドレスを設定する人と実際に運用する人を分けるのもよいでしょう。
分けることにより、運用する人は他のデバイスでログインができない状態をつくる事ができます。
デジタルリスクマネジメントについて
デジタルリスクマネジメントとは、デジタル技術を活用することによって生じるリスクを把握し、適切な対策を講じることを目的とするマネジメントのことです。
デジタルリスクマネジメントには、次のような要素が含まれます。
リスクアセスメント:デジタル技術を活用することによって生じるリスクを評価すること。
リスク管理:リスクが発生した場合に、影響を最小限に抑えるための戦略を策定すること。
リスク監視:リスクが変化した場合に、適切な対応を行うためのシステムを確立すること。
リスク適切性:リスクに対する対策が十分であることを確認すること。
デジタルリスクマネジメントは、デジタル技術が社会やビジネスにおいて日々進化することから、ますます重要な役割を担うことが予想されます。
リスクマネジメントを改善することによって、ビジネスのパフォーマンスを向上させたり、消費者の信頼を高めたりすることができるからです。
まとめ
デジタルリスクに対応するためには、常に最新の技術を知り、十分なセキュリティ対策を実施することが大切です。
また、SNSなどに上げられた従業員のプライベート投稿であっても、内容が不適切で炎上した場合、所属企業も責任を追求される可能性があります。
デジタルリスクと一言で言っても問題はさまざまな形で表出してきます。
まずは企業として可能性のあるリスクをすべて書き出してみるのもいいかもしれません。
従業員に定期的にコンプライアンス研修をしたり、アクセス権限を限定するだけでもかなりの効果が期待できます。
デジタルリスクへの対策は現代に生きる企業にとって最重要課題ともいえるでしょう。
対策を講じて実践することで、デジタルリスクから自分や企業を守ることができます。