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ソーシャルメディアポリシーとは?企業のSNSでの立ち振舞いについて

2023年04月20日

読了時間目安: 7分


現代において、ソーシャルメディアは企業にとって不可欠な存在となっています。
SNSを通じて商品やサービスをPRすることはもちろん、顧客とのコミュニケーションを図ったり、ブランドイメージを向上させたりすることもできます。
しかし、ソーシャルメディアを運用する上で、企業は様々な問題に直面します。
たとえば、社員の発言や投稿が企業のイメージを損ねてしまったり、知らぬ間に法令違反を犯してしまったりすることがあります。
そこで、企業はソーシャルメディアポリシーを策定することが求められるのです。
今回はソーシャルメディアポリシーを策定する上で重要な点や具体的な策定方法について解説します。

ソーシャルメディアポリシーとは?

ソーシャルメディアポリシーとは、企業がソーシャルメディアを利用する際の利用に関するルールや指針を定めたものを、社外の人向けに記述した文書です。 同様の意味合いを持つ言葉として、ソーシャルメディアガイドラインというものがありますが、こちらは社内向けのソーシャルメディアの運用方法について記述された文章となります。 具体的には、どのような内容を投稿してはいけないか、どのような情報を開示してはいけないか、企業公式アカウントの運用方法などが含まれます。 ソーシャルメディアガイドラインとは異なり、企業としてソーシャルメディアをどのように扱うのかを対外的に説明する文章のため、策定には細心の注意が必要です。

【ソーシャルメディアポリシーが持つ重要性】

ソーシャルメディアポリシーは、企業がSNSを運用する上で避けられない問題に対応するために不可欠なものです。 ポリシーを策定することで、社員や関係者以外の消費者に対して、ソーシャルメディアの運用方法について明確な指針を示すことができます。 その結果、トラブルや炎上を防ぐことができるため、企業のリスクマネジメントにもつながります。 また、ソーシャルメディアポリシーに基づいて行動することで、企業のブランドイメージや信頼性を高めることができます。

ソーシャルメディアポリシーの策定方法

策定の手順

①目的と企業の姿勢の明確化:ポリシーの目的と企業の姿勢を定め、どのような目的でソーシャルメディアを運用するかを明確にします。 ②リスクアセスメントの実施:企業にとってどのようなリスクがあるかを洗い出し、対策を考えます。 ③法的規制との整合性の確認:ソーシャルメディアポリシーが法的規制と整合しているかどうかを確認します。 ④内外の情報収集:業界や競合他社、顧客などの情報を収集し、ポリシーに反映させるべき点を把握します。 ⑤従業員の関与:従業員が遵守できるようにポリシーの策定には従業員の意見やフィードバックを取り入れることが重要です。

【考慮すべき点】

ソーシャルメディアポリシーに盛り込むべき一般的な内容は以下の通りです。
    • 会社のイメージに影響を与える可能性がある発言や行動の禁止
    • プライバシーの保護や機密情報の扱いについての規定
    • 社員の個人的な意見と企業の見解を区別するための表現方法の明確化
    • 不適切な行動に対する規定の明確化
    • コメントや投稿に対する管理方法
    • ソーシャルメディアでの著作権や商標の取り扱いについての規定
    • ソーシャルメディアの使用における規制や法的要件に関するガイドライン
    • ソーシャルメディアの運用に関する責任者やプロセスについての明確な定義
ソーシャルメディアポリシーで企業としての振る舞い方に言及しておくことで、ブランドイメージや信頼度の向上が見込めます。

ソーシャルメディアポリシーの運用方法について

ソーシャルメディアポリシーの策定後は、その運用方法についても考える必要があります。 以下に、ソーシャルメディアポリシーの運用方法についてのポイントを紹介します。

【社員への周知徹底】

ソーシャルメディアポリシーを策定したら、社員に周知徹底する必要があります。 特に、ソーシャルメディアを業務に活用する場合は、社員がポリシーを理解し、守ることが重要です。 社員に対して、ポリシーの内容を説明することで、社員が無秩序に情報発信を行うことを避け、企業としての信頼性を高めることができます。

【監視と管理】

ソーシャルメディアポリシーを策定した場合でも、社員がポリシーに違反する可能性があります。 そのため、企業側は監視と管理体制を整える必要があります。 例えば、社員のソーシャルメディアアカウントをモニタリングするツールを導入することで、違反行為を早期に発見することができます。 監視が不可能な場合は、ソーシャルメディアポリシーやガイドラインで、違反した際の罰則を明確に定め、問題が発生した際には重いペナルティが課されるということを周知しましょう。

【ソーシャルメディアのリアルタイム性を意識した対応】

ソーシャルメディアはリアルタイム性が高く、情報が瞬時に拡散するため、企業としても素早い対応が求められます。 炎上してしまった際はより一層情報の伝達が速く、対応が遅れると誤情報の流布や対応の遅さに対しての批判が起きる可能性があります。 そのため、企業側ではソーシャルメディア運用の担当者を配置するなど、迅速な対応体制を整えることが重要です。

【ソーシャルメディアポリシーを運用する際に必要なポイント】

ソーシャルメディアポリシーを運用する際には、以下のポイントを考慮する必要があります。定期的な見直しと改善‐ ソーシャルメディアは常に変化しており、新しいトレンドやプラットフォームが出現することもあるため、ソーシャルメディアポリシーは定期的に見直しと改善が必要です。 また、全く関係のない企業で炎上騒ぎがあった際も、自社で起きる可能性を考慮し、ポリシーの改訂をする必要もあります。 ‐社員の教育とトレーニング‐ ソーシャルメディアポリシーを実践するためには、社員がポリシーについて理解し、遵守できるようにすることが重要です。 社員に対して、ソーシャルメディアの基本的なルールやポリシーについてトレーニングを実施することでポリシーに対しての理解度を向上させることができます。 ‐監視と適切な対応‐ ソーシャルメディア上での炎上やクレームはすぐに拡散してしまうため、企業側は定期的に監視することが重要です。 万が一問題が発生した場合には、適切な対応を行うことが必要です。 また、日常的に企業側からも積極的にコミュニケーションを取り、消費者と近い距離で接することで炎上後の対応もスムーズに進めることができます。

まとめ

ソーシャルメディアは企業にとって重要なプラットフォームであり、適切なポリシーを策定して運用することが炎上を防ぐことに繋がります。 ソーシャルメディアポリシーは、企業のブランド価値を守り、社員の行動指針を明確にするために必要不可欠なものと言えます。 企業は、ソーシャルメディアポリシーの策定と運用に力を入れ、リスクを最小限に抑えながらソーシャルメディアを活用することが求められるのです。