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2022年のSNS炎上まとめ:2022年を振り返ることで分かる最新炎上の傾向と対策

2023年08月31日

読了時間目安: 7分


企業の存続を揺るがしかねないSNS上の炎上。
これはSNSが世の中に広く普及してから、毎日の様に起こっています。もし避けられるのであれば、SNSの炎上は避けて通りたいものです。今回は2022年に起こったSNSの炎上を振り返り、今起こっている炎上の傾向、そして今後求められる対策について考えてみます。

2022年のSNS炎上まとめ

まずは2022年に日本、そして海外で起こった様々なSNS炎上の事例を以下にまとめてみました。

①大手ファッション通販社

有名キャラクターと提携。公式のSNSフィードに、そのブランドの人気キャラのセリフを投稿。これが性差別を促進するとの見解があり、多くの非難を受けることとなった。結果として、一部アイテムの物理的な店頭での販売を中止する事態に発展。

②都心の主要駅

注目されているアニメーション作品の広告が掲示されるものの、その中の露出の激しい女性キャラクターの胸元を隠すようにエフェクトで部分的に修正されていることが発覚。この修正がネット上で大きな話題となる。

③著名なビジネス企業

SNS上で、「給与や待遇にこだわりのある人とは働きたくない」と給与や職場環境に関する特定の意見を公然と投稿。この内容が多くのユーザーに受け取られ、企業の価値観や方針に対する疑問や批判が相次いだ。

④国内の大手新聞社

人気上昇中のマンガ作品の広告を大きく掲載。しかしその内容が一部の読者から未成年者に対する性表現として適切でないと捉えられ、広告の内容や掲載判断に関して議論が生まれる。

⑤人気寿司チェーン店

特定の商品に関する広告が、実際の提供内容と異なる、いわゆる「おとり広告」として公的機関から指摘を受ける。この事実が公になると、消費者の間での信頼喪失が懸念される中、企業側は対応を迫られる状況となる。

⑥国内有名な中華料理チェーン店

過去に勤めていた従業員が、特定の店舗における衛生管理の問題をSNSで告発。この投稿がネット上で拡散し、多くの顧客や関心を持つ者からの懸念や批判が相次ぐ事態に発展した。結果、該当する店舗は閉鎖に追い込まれ、類似店名の別企業にまで風評被害が起こった。

⑦著名な俳優

一部メディアでの報道をきっかけに、過去の女性に対する不適切行為が指摘される状況となり、これを受けて彼を起用していた多数のCMが次々と放送中止となる。

⑧国際的な高級ファッションブランド

YouTube上での影響力が高い特定のクリエーターを新しい広告キャンペーンの顔として採用。しかしこの選択が一部の顧客やファッション関連者から「ブランドの価値を下げるもの」として批判される。

⑨人気の焼肉店チェーンの社長

人気の焼肉店チェーンの社長自身が、公式のSNSアカウント上で、「焼肉屋で外食するよりも、スーパーで買った肉を家で焼いたほうが安い。」と持論をツイート。これが一部の焼肉好きのファンからの異論や反発を生む。

⑩人気のバスケットボールアニメ映画

映画制作に関わるスタッフの公の発言や、キャスト変更に関して、熱心なファンから不満や懸念の声が上がる。特に声優の変更については、前作やシリーズを通じての継続性、キャラクターへの愛着などが問題視される中、制作会社や関係者のコメントがほとんどなく、熱心なファンから批判が上がった。

2022年に海外で起こったSNS炎上

①大手仮想通貨取引所(アメリカ)

破産申請を行ったこの取引所は、以前に複数の著名スポーツ選手やエンターテイナーを広告キャンペーンに起用していた。この事態を受けて、被害者の団体がこれらの著名人に対して損害賠償の請求を開始。その背景や法的な問題、そして広告塔としての責任や影響についての議論が社会的に広がる。

②国際的スポーツブランド(アメリカ)

ある有名アーティストが行った反ユダヤ的な発言を問題視し、ブランドとの提携や契約を正式に解消すると発表。

③ヨーロッパの高級ファッションブランド(フランス)

新しいキャンペーンのビジュアルが、子供を性的に描写しているとの批判を受け、大きな炎上を引き起こした。

④FIFAワールドカップ カタール大会(カタール)

大会が開幕する直前に、会場内でのアルコールの販売を予期せずに禁止する方針を打ち出し、公式スポンサーである大手ビールメーカーが大量の在庫を抱えることとなる。文化や宗教的な背景、スポンサーシップのあり方、経済的な影響など様々な角度からの議論が活発化する。

こうしてみると、1年の間に数多くの炎上が日本中、世界中で起こっているのが分かります。次に、2022年に起こった炎上に共通するリスクを分析し、炎上に対する傾向と対策を考えていきましょう。

2022年に起こった炎上に共通する3つのリスク

2022年に起こった、これらの炎上には大きく3つのリスクが共通しています。

1.ジェンダー表現

2.経営者や社員の言動

3.タレント起用

 

これら3つについて、それぞれのリスクの内容、なぜリスクになるのか、そして対策についてお伝えします。

1.ジェンダー表現

リスクの内容

現代社会では、ジェンダー平等やダイバーシティの重要性が強調されています。この背景から、ジェンダーに関する表現や描写には、高い感度が求められるようになってきました。企業やブランドの広告、商品、コンテンツ内でのジェンダーのステレオタイプや偏見に基づいた表現は、大きな非難の対象となり得ます。

なぜリスクになるのか

ジェンダーに関する誤解や偏見に基づいた表現は、該当するジェンダーグループの人々にとって侮辱的であると感じられる場合が多いです。さらに、これにより企業やブランドのイメージダウンを招き、結果としてビジネスへの悪影響をもたらすことが考えられます。また、一度非難が高まると、それを収束させるのは容易ではありません。

対策

①意識の啓発

企業内でジェンダー平等やダイバーシティに関する教育やトレーニングを実施することで、社員一人一人の意識を高めることが必要です。

②多様な視点の導入

広告や商品の企画段階で、多様なジェンダー背景を持つ人々の意見やフィードバックを取り入れることで、偏見のない表現を目指すべきです。

③外部の監査

ジェンダー問題に詳しい専門家や団体に、外部からの評価やフィードバックを求めることで、事前に問題点を発見・修正することができます。

2.経営者や社員の言動

リスクの内容

企業の経営者や社員が公然と行う言動は、その企業のブランドイメージに大きな影響を与えます。特にSNSの普及により、一つの発言や投稿が瞬時に広がる現代では、不適切な言動が大きな問題となりやすくなっています。

なぜリスクになるのか

経営者や社員の発言は、企業の公式見解や価値観として受け取られることが多いです。そのため、不適切な発言や行動は企業の信頼性や評価に影響を及ぼす可能性が高くなります。また、SNSなどで瞬時に拡散されることで、負の影響が急速に拡大するリスクも伴います。

対策

①ソーシャルメディアガイドラインの整備

企業はSNSを使用する際のガイドラインを明確にし、社員にその理解と遵守を整備すると強い対策につながります。

②定期的な研修

経営者を含む社員全員が参加するPRやコミュニケーションの研修を定期的に行い、企業としての適切な言動を共有することが重要です。

③速やかな対応

万が一、問題のある発言や行動があった場合は、速やかにその内容を訂正し、謝罪や説明を行うことで、信頼の回復を図るべきです。

企業のブランドイメージは、経営者や社員一人ひとりの行動によって形成されていくものです。そのため、常にその重要性を認識し、日々の業務に取り組むことが求められます。



3.タレント起用

リスクの内容

タレントや著名人を広告やキャンペーンに起用することは、企業のブランドイメージを向上させるための一つの方法として広く行われています。しかし、起用するタレントの私生活や過去の行動、発言などに問題が発覚すると、それが企業のイメージにも悪影響を及ぼすリスクがあります。

なぜリスクになるのか

タレントは企業の代弁者やイメージキャラクターとして公の場に登場するため、彼らの行動や発言は企業の姿勢や価値観と直結していると受け止められやすいです。そのため、タレントが何らかの問題行動を起こした場合、消費者はそのネガティブなイメージを企業にも投影しやすくなります。

対策

事前のリサーチ

タレントや著名人を起用する前に、その過去の行動や発言、公の評価などをしっかりとリサーチすることが必要です。

契約内容の明確化

タレントとの契約時には、特定の行動や発言を控えること、問題が発生した場合の対応などを明確に取り決め、双方の理解を深めることが重要です。

クライシスマネジメント体制の構築

万が一の事態に備え、事前にクライシスマネジメントの体制や手順を整えておくことで、迅速かつ適切な対応が可能となります。タレント起用は、企業のブランド力を高める大きなチャンスですが、それと同時にリスクも伴います。そのリスクを最小限に抑え、ポジティブな効果を最大限に引き出すための計画的なアプローチが不可欠です。日々変化する社会情勢や消費者の意識の中で、企業はこれらのリスクを適切に管理し、持続的な成長を目指していく必要があります。

まとめ

炎上を起こすリスクは、企業やブランドの評価を大きく左右する可能性があります。今回取り上げた3つのリスク、すなわち「ジェンダー表現」「経営者や社員の言動」「タレント起用」は、特に近年のSNSの普及とともに顕著になってきた問題点です。ジェンダー表現では、ジェンダーに関する古い概念やステレオタイプを無批判に使用することが、多くの非難を招く可能性があります。対策として、時代の変化や多様性を尊重する意識を持ち、表現の際には注意を払うことが求められます。経営者や社員の言動においては、企業の価値観や姿勢が直接反映されるため、個人の発言が会社全体のイメージを損なう可能性が高まります。教育や研修を通じて、社員一人一人がコミュニケーションの重要性を理解し、適切な言動を心掛けることが大切です。タレント起用では、タレントの私的な問題や過去の発言が、企業イメージに影響を及ぼす可能性があるため、事前のリサーチや契約内容の明確化、クライシスマネジメント体制の整備など、計画的なアプローチが求められます。これらのリスクを回避または最小化するためには、企業として時代の変化や消費者の声に耳を傾ける姿勢が不可欠と言えるでしょう。