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SNS監視とは?概要、注意点、監視サービス13選

2026年03月31日


SNSの炎上リスクに備えたいものの、「自社に合う監視サービスがわからない」と悩むご担当者様は少なくありません。自社の課題に合わせた選び方など、SNS監視で注意するべきポイントや「SNS監視・モニタリングサービス13選」を紹介しました。経営層も納得のいく監視体制を構築し、炎上の火種を早期発見するための実践的なガイドとしてご活用ください。

SNS監視・モニタリングとは

SNS監視(SNSモニタリング)とは、X(旧Twitter)・Instagram・Facebook・YouTube・TikTokといったSNSや、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)などの掲示板・口コミサイトを対象に、自社や自社の商品・サービスに関する投稿をリアルタイムで監視する取り組みのことです。「ソーシャルメディア監視」「風評監視サービス」「ソーシャルリスクモニタリング」とも呼ばれ、企業のレピュテーションマネジメント(評判管理)の中核を担う手法として定着しています。

スマートフォンの急速な普及により、誰もが瞬時に情報を発信・拡散できる時代となりました。企業にとって不都合な情報や従業員の不適切な行動が動画・画像とともにSNSに投稿されると、数時間のうちに数万〜数百万人の目に触れるケースも珍しくありません。こうした炎上リスクに備えるために、SNS監視は現代の企業にとってもはや”やるかやらないか”の選択肢ではなく、当然備えるべきリスク管理の基本インフラになりつつあります。

SNS監視の主な対象範囲は以下のとおりです。

・X(旧Twitter):リアルタイムの情報拡散力が最も強く、炎上の発端になりやすい
・Instagram:画像・動画の拡散が中心。バイトテロや食品への異物混入動画など視覚的な炎上が多い
・Facebook:実名制のため信憑性が高く、組織的な批判が広がりやすい
・YouTube / TikTok:動画コンテンツによる拡散。悪ふざけ動画の拡散経路として機能することも
・5ちゃんねる(旧2ちゃんねる):匿名性が高く、炎上の”炉端”として機能することが多い
・Googleマップ・各種口コミサイト:低評価・誹謗中傷コメントが集積し、採用や集客に影響する
・ニュースサイト・まとめサイト:SNSの炎上情報がまとめられ、検索上位に出続けるリスクがある

これらを網羅的かつ継続的に監視し、ネガティブ投稿の「火種」を早期に検知することがSNS監視の本質です。

SNS監視のメリット

SNS監視を導入することで、企業はさまざまな恩恵を受けることができます。主なメリットは以下のとおりです。

  • ・炎上リスクの早期検知・被害最小化:火種となる投稿が大規模に拡散される前に発見できれば、それだけ早く対応できます。炎上は「投稿→インフルエンサーによる拡散→メディア報道」という段階を経て被害が拡大するため、最初の段階で手を打てるかどうかが被害の大きさを左右します。

 

  • ・夜間・休日も含めた24時間365日の監視体制確立:炎上は曜日や時間帯を選びません。むしろ夜間や週末など担当者が対応しにくいタイミングに拡散が加速するケースも多いです。SNS監視サービスを活用することで、担当者が気づかなかった、という状況を防ぎます。

 

  • ・危機管理体制の可視化・対外的な信頼性向上:リスク検知から対応までの業務フローを社内に構築できるため、内部統制の強化につながります。万一炎上が発生した際も、迅速な対応によって「危機管理体制が整っている企業」として評価され、ブランドイメージを守ることができます。

 

  • ・顧客の生の声(VOC)のマーケティング活用:ネガティブな投稿の監視だけでなく、商品・サービスに対するリアルな評判も収集できます。「この機能が使いにくい」「もっと○○してほしい」という声は、商品改善や新サービス開発の貴重なヒントになります。

 

  • ・従業員・アルバイトの不適切投稿の把握 :自社に関するキーワードを登録しておくことで、従業員が個人アカウントで投稿した不適切な内容も検知できます。バイトテロと呼ばれる従業員の悪ふざけ動画は、自社がまったく認識していない状態で急拡散するケースが多く、監視体制の整備が有効な抑止力になります。

 

  • ・競合他社の動向把握:自社だけでなく、競合他社に対するSNS上の評判を把握することで、業界全体のリスク動向を把握し、先手を打った戦略立案に活用できます。

炎上リスクの高いSNS

すべてのSNSが同等の炎上リスクを抱えているわけではありません。メディアの特性によって炎上の性質や拡散スピードが異なります。SNS監視において特に警戒すべきプラットフォームは以下のとおりです。

X(旧Twitter):炎上リスク ★★★★★

リアルタイム性の高さと「リポスト(リツイート)」機能による情報拡散力から、炎上の主戦場となっています。2024年の調査によれば、炎上件数全体の約74%がX(旧Twitter)を発端または主要拡散媒体としているとの報告があります(コムニコ調べ)。インフルエンサーが火種投稿を拡散することで、数時間以内に数万件の言及に発展するケースも珍しくありません。

Instagram:炎上リスク ★★★★☆

画像・動画コンテンツを主体とするため、視覚的なインパクトが強く、感情的な反応を引き起こしやすいのが特徴です。バイトテロ系の動画はInstagramやTikTokで撮影・投稿され、それがXで拡散される、という複合的な炎上ルートが一般的になっています。

TikTok:炎上リスク ★★★★☆

10〜20代の若年層ユーザーが多く、飲食店内やコンビニ・小売店でのバカッター動画の投稿場所として機能することが増えています。動画の拡散力・視聴数が急速に伸びるアルゴリズムの特性上、火種となった投稿が一気に広まるリスクがあります。

Facebook:炎上リスク ★★★☆☆

実名制であることから、投稿者の責任感が比較的高く、根拠のない誹謗中傷よりも具体的な不満・批判が投稿されやすい傾向があります。特に企業ページのコメント欄への集中攻撃や、組織内部の人物による内部告発的な投稿が炎上のきっかけになるケースがあります。

5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)・掲示板系:炎上リスク ★★★★☆

完全匿名で投稿できるため、誹謗中傷や企業に関する悪質な風評が集積しやすい環境です。ここで投稿された情報がXやまとめサイトを経由して拡散するケースも多く、「炎上の震源地」になることがあります。

YouTube:炎上リスク ★★★☆☆

動画の再生数が伸びるにつれてコメント欄に批判が殺到するパターンや、企業の公式動画・CMへの否定的な反応が拡散するケースがあります。また、炎上した動画をまとめた「切り抜き」チャンネルが二次拡散を促進することもあります。

SNS監視サービスとは?概要

SNS監視サービスとは、上述のようなSNSやWebメディアを広く対象に、企業の商品・サービス・ブランド名などに関する投稿を常時収集・分析し、炎上につながる危険が潜んでいないかを判別・報告するサービスの総称です。「投稿監視サービス」「ソーシャルリスクモニタリングサービス」「風評監視サービス」などとも呼ばれます。
主なサービス内容には以下が含まれます。

  • ・キーワードベースの投稿収集・リスク検知:企業名・商品名・関連ワードを登録し、該当する投稿を自動収集

 

  • ・AI監視システムによるネガポジ判定:収集した投稿のポジティブ/ネガティブ/ニュートラル分類を自動化

 

  • ・専任オペレーターによる24時間体制の目視監視:AIでは判別困難な文脈・行間を人の目で精査

 

  • ・緊急アラート通知:危険度の高い投稿が検知された際、担当者へリアルタイムで通知

 

  • ・炎上発生時の初期対応コンサルティング:沈静化戦略の提案・サポート

 

  • ・日次・月次レポーティング・傾向分析:投稿量の推移や話題の傾向を可視化したレポート提供

SNS監視サービスにおけるタイプ

SNS監視サービスは大きく2つのタイプに分けられます。それぞれの特徴を理解したうえで自社のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。

① 有人監視型(目視タイプ)

人の目で直接SNSを監視し、炎上・誹謗中傷リスクが高い内容かどうかを判断するタイプです。


メリット

  • ・文脈・ニュアンス・行間を読んだ高精度な検知が可能
  • ・隠語・業界固有の表現・絵文字なども判断できる
  • ・リスク発見時の即時対応・アドバイスがセットで提供されることが多い
  • ・AIでは監視できないログインが必要なSNSにも対応可能

 

デメリット

  • ・人件費がかかる分、ツール型に比べてコストが高くなる傾向がある
  • ・担当オペレーターのスキル・習熟度によって品質にばらつきが生じる場合がある

② ツール型(AI自動監視タイプ)

あらかじめ登録したキーワードをもとに、AIシステムが自動でSNSの投稿を収集・分類するタイプです。

メリット

  • ・24時間365日、大量の投稿をリアルタイムで処理できる
  • ・人件費が抑えられ、比較的低コストで導入できる
  • ・データをグラフ・レポートにまとめる機能が充実しており、傾向把握が容易

 

デメリット

  • ・設定したキーワード以外の投稿は収集できず、見落としが発生するリスクがある
  • ・文脈を正確に理解するのが難しく、誤判定が起きることがある
  • ・隠語や新語、婉曲表現への対応が遅れやすい

③ ハイブリッド型(AI+有人監視)

AIによる一次スクリーニングと、専門オペレーターによる二次確認を組み合わせたタイプです。

精度・コスト・スピードのバランスが取れており、近年は多くのサービスがこの形式を採用しています。コストと検知精度の両立を重視する企業に特に適しています。

SNS監視サービス比較時に検討すべきポイント

SNS監視サービスを選定する際には、以下のポイントを軸に比較・検討することをおすすめします。

  • ・監視対象プラットフォームの網羅性:X・Instagram・YouTube・TikTok・5ちゃんねる・Googleマップ・各種口コミサイトなど、自社が重視するメディアをカバーしているかどうかを確認します。特に業界特性によって炎上リスクが高いメディアは異なるため、対応媒体のリストを細かく確認しましょう。

 

  • ・監視タイプ(有人/ツール/ハイブリッド):自社のリスクレベルや予算に応じて最適なタイプを選びます。炎上リスクが高い業界(飲食・小売・サービス業など)は、精度の高い有人またはハイブリッド型を推奨します。

 

  • ・検知スピードとアラート通知の仕組み:炎上への対応は「最初の1〜3時間」が重要とされています。リスク投稿が検知された際に、どれだけ早く担当者へ通知できるかを確認しましょう。「10分以内に報告」を謳うサービスもあります。

 

  • ・炎上発生時のサポート体制:単なる検知・通知だけでなく、炎上発生時の初動対応コンサルティング・沈静化サポート・PR支援なども含まれるかどうかは重要な比較ポイントです。

 

  • ・レポーティングの内容と頻度:日次・月次レポートの内容、担当者が確認すべき情報の整理具合、ダッシュボードの見やすさなどを確認します。

 

  • ・価格・コストパフォーマンス:監視媒体の数・キーワード数・監視頻度・オプションの有無によって価格は大きく異なります。複数社から見積もりを取り、自社ニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。

 

  • 炎上保険の有無:一部のサービスでは、炎上発生時の損害を補償する「炎上保険」が付帯しています。万が一の経済的リスクに備えたい企業はこの点も確認しましょう。

SNS監視・モニタリングサービス13選

以下に、代表的なSNS監視・モニタリングサービスを13点ご紹介します。

1. AI-mining(AIマイニング) / 株式会社リリーフサイン

サービスサイトhttps://www.reliefsign.co.jp/service/ai_mining/

ソーシャルリスク検知に特化したモニタリングツールです。

X(旧Twitter)・Instagram・YouTube・5ちゃんねる・Googleマップ・口コミサイトなど、国内最高水準の監視対象メディアに対応。ネガティブ投稿・誹謗中傷・風評などのリスクを瞬時に検知します。

緊急時や炎上発生時には、専門コンサルタントによる沈静化サポートが追加料金不要で受けられ、上限300万円の炎上保険も標準付帯。1,500社以上の導入実績を誇ります。

2. 炎上対策・風評被害 有人監視代行サービス / 株式会社リリーフサイン

サービスサイトhttps://www.reliefsign.co.jp/service/risk_monitoring/

AIモニタリングツールと専門スタッフによる有人監視を組み合わせた、ハイブリッド型のSNSモニタリング代行サービスです。

リスク情報は即時アラートとして通知され、あいおいニッセイ同和損保の「SNS炎上保険」が標準付帯しているため、炎上発生時の損害リスクも経済的にカバーされます。

3. Webリスクモニタリング / 株式会社エルテス

サービスサイトhttps://eltes.co.jp/service/web-risk-monitoring/

AIと専門スタッフによるチェックを組み合わせた投稿監視サービスです。X(旧Twitter)などのSNSから5ちゃんねるなどの掲示板まで幅広く対応。検知したリスクはダッシュボードで可視化され、チームや社内での情報共有が容易です。従業員によるSNS上の不適切言動の検知にも対応しており、緊急性の高いリスク投稿が検知された場合には初期対応フォローも提供されます。デジタルリスクに精通したコンサルタントが伴走し、企業の状況に応じた提案を行います。

4. インターネットモニタリング / アディッシュ株式会社

サービスサイトhttps://adish.co.jp/service/internet-monitoring/

企業が運営するWebサービスやSNS上のユーザーコメントを24時間365日体制で目視監視し、炎上リスクや風評被害を最小限に抑えるサービスです。導入実績は800件以上。テキストだけでなく、音声・画像・動画投稿の監視にも対応しており、リスクの見落としを最小限に抑えています。なりすましアカウントの監視・削除支援も行っており、多方面からの脅威に対応できます。

5. モニタリングDX / シエンプレ株式会社

サービスサイトhttps://siemplecorp.jp/service/monitoring_dx/

業界初の「投稿自動カテゴリー分け機能」を搭載した高性能AIモニタリングツールです。ネガポジ判定だけでなく、投稿がどのような話題・内容であるかを自動的に仕分けします。人間の判定に限りなく近い精度を実現しており、SNSやWebサイトのリスク対策だけでなく、口コミ分析によるマーケティングにも多く活用されています。警察庁や警視庁からサイバーパトロールを受託している実績を持ちます。

6. SNSリスク即時検知サービス(ネットパトロール) / イー・ガーディアン株式会社

サービスサイトhttps://www.e-guardian.co.jp/service/net-patrol/online-rumor/

月間2,000万件以上の監視実績を誇る、AI×人による高精度かつ効率的な監視サービスです。リスク投稿を検知した場合は「10分以内」での報告を実現。炎上対策で特に重要とされる「最初の1時間・8時間」に向けたサポートに定評があります。SNS・5ちゃんねる・掲示板・ブログ・動画サイト・レビューサイトなど広範なメディアを網羅。創業以来20年のノウハウを持ちます。

7. Webモニタリング 炎上・拡散防止対策 / 株式会社ジールコミュニケーションズ

サービスサイトhttps://www.zeal-com.co.jp/monitoring/

口コミやSNSなどを24時間監視し、リスク投稿を発見するサービスです。中小企業から大企業まで3,600社の導入実績を誇ります。人力とシステム監視のハイブリッド体制によるスピーディーで正確なチェックが特徴。炎上をはじめとするトラブルが起きた際には、対応に関するサポートも受けられるため、ネット上のリスクをトータルにカバーできます。

8. ソーシャルリスニングサービス(Buzz Finder) / NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

サービスサイトhttps://www.nttcoms.com/service/social/

国内初のX(旧Twitter)全量データ分析ツール「Buzz Finder」を中心としたソーシャルリスニングサービスです。X公式全量の投稿をほぼリアルタイムで収集・分析し、急上昇した際には自動でアラートメールを通知します。炎上対策だけでなく、キャンペーン効果の測定などプロモーション評価にも対応しており、マーケティング用途での活用も充実しています。

9. Mimamorn(ミマモルン) / 株式会社エフェクチュアル

サービスサイトhttps://effectual.co.jp/mimamorn/

WEB上の文章について、特定のキーワードが発生していないかを目視で監視するサービスです。X・5ちゃんねる・Googleマップ・掲示板・ECサイトなど幅広いメディアを巡回し、収集した投稿すべてを目視チェックしてポジティブ・ネガティブ・ニュートラルの判定を行います。月次分析レポートにより、ブランドの評判ステータスを定量的に可視化できます。月額50,000円から始められる点も特徴です。

10. Posmoni / 株式会社ナナメウエ

サービスサイトhttps://posmoni.com/

自社SNSの運用によって蓄積した豊富な学習データでトレーニングしたAIと人の目によるダブルチェックで監視を行うサービスです。「ネタコンテンツ」と有害なコンテンツの境界線を見極め、本当に悪質な投稿だけを削除できる点が大きな特徴です。コミュニティサイトやSNSアカウントの投稿・コメント監視において高い精度を発揮します。

11. Social Insight / ユーザーローカル

サービスサイトhttps://social.userlocal.jp/

数百億件の口コミデータを独自テキスト処理エンジンで超高速分析できるSNSマーケティングツールです。ソーシャルメディア上の評判や話題性をモニタリングし、計測可能なデータとして把握できます。風評被害リスクの対策だけでなく、SNSマーケティング全般の運用効率化・分析に強みを持ちます。

12. Statusbrew(ステータスブリュー)

サービスサイトhttps://statusbrew.com/ja/

監視・分析に強みを持つグローバルなソーシャルメディアマーケティングツールです。12以上のSNSに対応し、各SNSのコメント・口コミ・メンション・ハッシュタグ・DMなどを専用の受信箱に集約。AI搭載のコメント監視機能により、90種類以上の条件指定で自動振り分け・処理に対応します。特に多店舗展開する大規模組織に適しています。

13. 風評被害クラウド / シエンプレ株式会社

サービスサイトhttps://siemplecorp.jp/service/fueki-cloud/

検索エンジンやSNS上のネガティブな情報を早期に発見し、迅速な対処を支援するサービスです。SNSモニタリング機能により、自社サービスにまつわる投稿の数や拡散状況、ネガティブな内容かどうかなどを分析できます。モニタリングに加え、拡散してしまった悪評を目立たなくするSEO対策や、公式SNS運用方法の見直しによる炎上・風評被害リスクの防止にも対応しています。

SNS監視時の注意点、配慮

SNS監視は企業を守るための重要な手段ですが、運用にあたっていくつかの重要な注意点があります。

プライバシーへの配慮

SNS監視の対象は、基本的に一般に公開された投稿(オープンな情報)に限定するべきです。以下の点を必ず意識してください。

  • ・監視対象は公開情報に限定する:非公開アカウント(鍵アカウント)や限定公開投稿は監視対象としない

 

  • ・個人情報の収集・保管には慎重を期す:特定個人の投稿履歴を過度に収集・分析することは、個人情報保護法の観点から問題になる可能性がある

 

  • ・従業員の個人アカウント監視のあり方を明確化する:就業規則やSNSガイドラインで「業務に関連する投稿は公開情報として取り扱う」旨を従業員に周知したうえで監視を行うことが重要

 

  • ・個人情報保護法・プロバイダ責任制限法等の関連法令を遵守する:収集したデータの保管・利用目的を明確にし、適切に管理する

投稿発見時の対応フローの明確化

監視しているだけでは不十分で、「リスク投稿を発見した後、誰が何をするか」という対応フローを事前に整備しておくことが不可欠です。フローが整っていない場合、以下のような問題が発生します。

  • ・担当者が判断できず対応が遅れ、炎上が拡大する
  • ・部門間の連携がとれず、社外への発信内容が統一されない
  • ・不適切な初動対応によって二次炎上が発生する

 

対応フロー整備のポイントは以下のとおりです。

  • ・エスカレーションの基準を明確化する:「このレベルの投稿は即座に上長へ報告する」という判断基準を事前に設定する

 

  • ・担当部門を明確にする:広報・法務・経営陣・カスタマーサポートなど、それぞれの役割と権限を決めておく

 

  • ・謝罪文・声明文のテンプレートを準備する:炎上発生後、最初の6〜12時間以内に公式声明を発表できるよう、事前に草案を用意しておく

 

  • ・発信媒体のルールを決める:公式サイト・プレスリリース・SNS公式アカウント・お客様相談室など、どの媒体でどのような内容を発信するかを整理しておく

 

  • ・定期的なフローの見直し・訓練を実施する:炎上事例を題材にした「炎上防災訓練」を年1〜2回実施することで、フローを机上の空論にしない

SNS監視・モニタリングで自社が言及されていた時の対処法

SNS監視サービスを導入しアラートが上がってきた場合、または担当者が定期的なモニタリングでリスク投稿を発見した場合、その投稿の「分類」に応じて対応方針が異なります。以下に主な分類と対応の考え方を整理します。

① クレーム・不満系投稿

概要:商品の品質不良・接客態度への不満・配送トラブルなど、一般的な顧客クレームがSNSに投稿されたケース

 

対応方針

  • ・まず投稿内容を精査し、事実確認を行う
  • ・真実に基づくクレームの場合、公式アカウントから誠実に謝罪・改善を表明する
  • ・個別対応が必要な場合はDMや電話サポートへ誘導し、公の場での議論を長引かせない
  • ・クレームの内容を社内にフィードバックし、再発防止策を講じる

② 誹謗中傷・風評被害系投稿

概要:事実無根の情報や悪意ある書き込みが拡散されているケース

 

対応方針

  • ・投稿内容が事実でないことを確認したうえで、法務部門・顧問弁護士と連携する
  • ・投稿の削除依頼(プロバイダへの発信者情報開示請求等)を検討する
  • ・公式声明で事実関係を明確に否定することも有効だが、反応すること自体が拡散を促進するリスクもあるため、対応要否は慎重に判断する
  • ・継続的な監視により、同様の投稿が増加していないか追跡する

③ 従業員・アルバイトによる不適切投稿(バイトテロ系)

概要:従業員が個人アカウントで業務中の不適切行動を投稿・拡散したケース

 

対応方針

  • ・投稿者の特定・事実確認を最速で行う
  • ・投稿の削除を当事者に要請する(状況に応じて法的措置も検討)
  • ・当該店舗・部門への緊急対応(衛生管理の見直し・在庫廃棄等)を実施する
  • ・公式声明で事実確認中であることを速やかに公表し、情報の空白をつくらない
  • ・再発防止策(SNSガイドラインの再周知・研修の実施等)を発表する

④ 炎上の初期段階(言及数が急増している状態)

概要:特定の投稿に対して批判的なコメントやリポストが急増しているケース

 

対応方針

  • ・まず「今すぐ対応すべき炎上か」「様子見でよいか」を判断する(対応自体が炎上を拡大させるケースもある)
  • ・危機対応本部を立ち上げ、対応方針を社内で統一する
  • ・SNS公式アカウントから公式コメントを発信する場合、感情的な内容・弁解・言い訳は避け、事実と再発防止の意思を簡潔に伝える
  • ・対応後も監視を継続し、鎮静化の状況を確認する

⑤ なりすまし・フィッシング系投稿

概要:企業の公式アカウントに似せた偽アカウントがキャンペーン詐欺や誤情報を拡散しているケース

 

対応方針

  • ・発見次第、各SNSプラットフォームの報告機能を使い、なりすましアカウントの停止を申請する
  • ・公式アカウントから「なりすましアカウントが存在する」旨を告知し、ユーザーに注意を促す
  • 詐欺被害が発生している場合は警察への届出も検討する

SNS監視を行い、早期発見ができていれば防げた炎上事例

以下に、SNS上での早期発見と適切な初動対応があれば被害の拡大を抑えられた可能性がある、実際の炎上事例を紹介します。

事例1:某大手回転寿司チェーン店迷惑動画事件(2023年)

2023年1月、某大手回転寿司チェーン店の岐阜県内の店舗において、来店客の少年が醤油差しの注ぎ口や湯飲みをなめるなどの迷惑行為を行い、その様子を収めた動画がSNSで拡散しました。

動画が拡散されたのは1月29日頃で、炎上系インフルエンサーによって急速に広まりました。その結果、親会社の株価が一日で160億円超下落。客足が激減し、運営会社は全店で湯飲みの洗浄・醤油ボトルの交換を行い、完全注文制への切り替えも実施。後に約6,700万円の損害賠償請求訴訟を起こしました(その後調停成立)。

 

早期発見があれば防げたこと:動画が最初にSNSに投稿されてから大規模な拡散が起きるまでの間(数時間〜半日程度)に検知できていれば、店舗での衛生管理の初期対応や、炎上インフルエンサーに拡散される前の削除申請などに動ける余地がありました。拡散を食い止めることは困難であっても、企業側の初動対応を数時間早めることができ、株価への影響や社会的なダメージを一定程度抑制できた可能性があります。

事例2:飲食業界における連鎖的な迷惑行為動画(2023年)

事例1の騒動を契機に、2023年1〜2月にかけて別の回転寿司チェーンや大手うどんチェーン、カラオケ店など、複数の企業で同様の迷惑動画が次々とSNS上に投稿される事態が発生しました。一部の事件では逮捕者が出るなど、社会問題として大きく報じられています。

 

早期発見があれば防げたこと:同業他社での炎上後、社内のモニタリング体制を強化していれば、自社が次のターゲットになりうるリスクを事前に想定し、店内での監視カメラ強化・衛生管理の見直し・スタッフへの注意喚起など予防的な対応が取れたと考えられます。業界横断的な炎上の「波」を早期に察知できるかどうかが、被害の有無を分けます。

事例3:某大手IT企業が運営する情報サイトの不適切コンテンツ炎上(2016年)

某大手IT企業が運営していた医療系情報サイトにおいて、専門家の監修がされていない不正確・有害な医療情報記事が大量に掲載されていることが発覚し、大炎上しました。検索上位に表示されていた記事の内容が問題視され、全記事が一時非公開となり、事実上のサービス終了に至りました。

 

早期発見があれば防げたこと:問題が指摘されはじめた段階でSNS上の批判を早期に検知し、コンテンツの品質管理体制の改善に動いていれば、全記事非公開という最悪の事態は回避できた可能性があります。

事例4:某女性向けファッション誌の周年記念動画炎上(2023年)

2023年5月、某女性向けファッション誌が創刊10周年を記念して公式Instagramアカウントに投稿した動画内で、有名キャラクターの玩具を燃やす演出が含まれており、激しい炎上を招きました。SNS上では「ブランドの可愛いイメージと乖離している」「ショックを受けた」といった批判が殺到しました。

早期発見があれば防げたこと:投稿公開後の反応を監視していれば、批判コメントが増加しはじめた早い段階で動画の非公開化や説明コメントの発信ができたと考えられます。初動が遅れたことで、「ブランドらしくない」という印象がより多くのユーザーに定着してしまいました。

事例5:某大手靴下専門ブランドのSNS担当者による不適切な返信(2024年)

2024年12月、某大手靴下専門ブランドの公式SNSアカウントの担当者が、ユーザーのコメントに対して感情的な返信をしたことで炎上が発生しました。「担当者の個人的感情が表に出た」と批判を受け、会社は謝罪対応を余儀なくされました。

 

早期発見があれば防げたこと:公式アカウントへの投稿を事前確認・承認するフロー(複数名チェック体制)があれば、感情的な返信は公開前に差し止めることができました。SNS監視と並行して、投稿前チェック体制の整備が有効です。

SNS監視・モニタリングに関する書籍

SNS監視・ネットリスク管理に関する知識を体系的に深めたい方に向けて、参考となる書籍を紹介します。

 

「ネット炎上の研究」(勁草書房) 田中辰雄・山口真一 著

https://www.keisoshobo.co.jp/

ネット炎上の発生メカニズムを実証的に分析した研究書です。炎上に参加するのはネットユーザーのごく一部(0.5%以下)であること、炎上が実際の企業被害にどう結びつくかなど、SNS監視のリスク評価に役立つ客観的データが豊富に記載されています。

 

「SNSで企業が炎上する前に」(日経BP) 後藤真広 著

https://www.nikkeibp.co.jp/

企業の広報・PR担当者向けに、炎上を未然に防ぐためのSNS運用ガイドラインの策定・運用方法、炎上発生時の初動対応について実践的に解説した書籍です。企業のSNS担当者・広報担当者にとって教科書的な内容となっています。

 

「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版」(弘文堂) 清水陽平 著

https://www.kobundo.co.jp/

弁護士の著者が、X(Twitter)・Instagram・Facebook・5ちゃんねる・各種口コミサイトなどサイト別に、誹謗中傷・炎上への法的対応手順をまとめた実務書です。投稿削除申請・発信者情報開示請求の手順など、法務視点からの具体的な対応方法が網羅されており、企業の法務・総務部門にも役立ちます。

 

「レピュテーションリスクの管理」(中央経済社) 田中道昭 著

https://www.chuokeizai.co.jp/

企業のレピュテーション(評判)リスクをどう管理するかを解説した書籍です。SNSによる炎上リスクのみならず、企業ブランドを長期的に守るための戦略的なリスクマネジメントのフレームワークを学べます。

 

「デジタルクライシス対策の教科書」(翔泳社)

https://www.shoeisha.co.jp/

企業がデジタル上の危機(炎上・風評被害・情報漏洩など)に直面した際の対応フレームワークを解説した書籍です。SNS監視の実務的な体制構築から、炎上発生後のコミュニケーション戦略まで幅広くカバーしています。

SNS監視・モニタリングに関する論文

以下に、SNS監視・炎上・ソーシャルリスクに関連する学術論文・研究資料を紹介します。

 

「ネット炎上の参加者特性に関する研究」 日本社会心理学会論文集(田中辰雄・山口真一)

https://www.jsccs.jp/publishing/files/20th_06.pdf

ネット炎上に参加するユーザーの特性を分析した論文です。X(旧Twitter)と5ちゃんねるの利用頻度と炎上参加行動の関連を実証的に検証しており、炎上の構造的なメカニズムを理解するうえで参考になります。SNS監視における「どのプラットフォームに注目すべきか」の基礎的な知見を提供します。

 

「SNSにおける炎上のメカニズムと企業対応」 専修大学2023年度卒業論文(島根悠人)

https://www.senshu-u.ac.jp/School/shakai/2_shakaigakka/2.5_thesis/abstracts/2023/thesis2023_bunka3_shimane.pdf

SNSの炎上が私刑(キャンセルカルチャー)へと発展するメカニズムや、炎上によってプライバシー・個人情報が公になるリスクについて論じた論文です。炎上問題を社会的文脈から整理しており、SNS監視の必要性を再確認するうえで参考になります。

 

「監視社会化とプライバシー―SNSの発展が提起する諸問題―」 南山大学社会倫理研究所(坂本著)

https://rci.nanzan-u.ac.jp/ISE/ja/publication/se35/35-08sakamoto.pdf

SNSの普及と監視社会化の関係性、プライバシーの概念の変容を論じた学術論文です。企業によるSNS監視がプライバシーとどう向き合うべきかを考えるうえで、理論的な基盤を提供します。SNS監視の倫理的側面について深く理解したい方に適しています。

 

「SNSにおけるプライバシー設定機能の利用動機と情報開示行動」 日本社会情報学会

http://www.ssi.or.jp/journal/pdf/Vol8No3_12.pdf

ユーザーがSNS上でどのようなプライバシー設定行動をとるかを分析した研究です。ユーザーの情報公開意識を理解することで、SNS監視の対象範囲設定やプライバシー配慮の観点で参考になります。

 

「AI分析で社会課題の構造を可視化・炎上の兆候を捉えるレピュテーションリスク統合管理」 PwC Japanグループ レポート

https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/risk-consulting/reputation-risk.html

AIと自然言語処理を活用した炎上兆候の検知プロセスを4段階(兆候検知・構造理解・影響判定・継続監視)に分けて解説したPwCの実務レポートです。最新のデジタルリスク管理の考え方を整理するうえで非常に参考になる資料です。

まとめ

SNS監視・モニタリングは、企業が炎上や風評被害から自社ブランドを守るために欠かせない現代のリスク管理の基本です。本記事でご紹介したとおり、炎上は「いつか起きるかもしれない脅威」ではなく、「必ず備えておくべき日常的なリスク」として捉える必要があります。

重要なポイントをまとめると、以下のとおりです。

  • SNS監視は「炎上してから」ではなく「炎上する前に」始めるものである
  • 監視ツール(AI)と有人監視のハイブリッド体制が現在のスタンダード
  • 監視・検知だけでなく、発見後の対応フローをセットで整備することが不可欠
  • プライバシーへの配慮と法令遵守を忘れない
  • 某大手回転寿司チェーン店の事例のように、初動の遅れが160億円超の損失につながったケースもある。早期発見こそが最大のリスク対策

 

リリーフサインでは、25年以上の実績と1,500社以上の導入事例をもとに、SNS監視ツール「AI-mining」をはじめ、有人監視代行・SNSガイドライン作成・炎上対策トレーニングまで、企業のSNSリスクに関するあらゆる課題をワンストップでサポートしています。

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