バイトテロ

バイトテロの末路と対策

2023年04月20日

読了時間目安: 4分


残念ながらすでに社会問題として浸透してしまったのがバイトテロです。
アルバイトなどの従業員が、店舗の什器や商品を使用していたずらをしてその様子を撮影したものをSNSに投稿して炎上する現象です。
SNSや動画プラットフォームが世間一般に浸透してから多く見られるようになりました。
今回はバイトテロの原因とその防ぎ方、そしてバイトテロが起きると企業にとってどのような影響があるのかを調査しました。

バイトテロとは一体何?

バイトテロとはアルバイトなどの従業員が、世間に与える影響を考えずに悪ふざけをインターネット上に投稿して炎上して、企業に悪影響を与える行為のことです。 発生した企業は、社会的なイメージダウンと金額的損失が発生する可能性が高く、最悪の場合は倒産にまで至ります。

【背景】

バイトテロが発生する原因のひとつにSNS・テクノロジーの発達があります。 昔よりも映像撮影器具が手に入りやすくなったり、スマホに動画撮影機能が備わったことで、誰でも簡単に動画を取りインターネットにアップすることが簡単になりました。 そこに加えて、動画配信サービスやSNSなどが人気になり利用者も増え、簡単に注目を集める方法として広がっていきました。 これを裏付けるように、初めてのバイトテロと言われているのが2007年の豚丼事件です。某牛丼チェーン店のアルバイト店員が豚丼を山盛りにした動画が動画投稿サイトに投稿され、不衛生だと多くの批判を集めました。 それ以降、Twitter上で不謹慎で不適切な行為を投稿する人が散見され、「バカッター」という名前がつけられるも、のちにバイトテロという言葉に全てが含まれるようになっていきました。 どのケースもSNSなどに投稿した結果、拡散され炎上に至るというプロセスを経ています。 たとえ非公開アカウントでの投稿でも、Instagramのストーリーズ機能のような特定の時間で消滅するコンテンツでも、関係なく炎上は発生します。 2013年頃から、バイトテロは多数発生しています。こういったバイトテロは収まることはなく、これからも繰り返されていくでしょう。 話題に上がるバイトテロは主に飲食店やコンビニといった普段慣れ親しんでいる場所で起きるケースが多いです。 飲食店やコンビニを運営する企業にとってバイトテロは死活問題です。 最悪のケースでは運営していた企業が破産に至っています。

【拡散されるメカニズム】

現代のマーケティング方法として若い世代に商品をアプローチする際に広く使われているのがインフルエンサーを起用した宣伝方法です。 イメージキャラクターとして採用したり、インフルエンサーが投稿しているコンテンツで紹介してもらったりして商品・サービスをアピールします。 このように、現代では企業以外にも個人が非常に大きな力を持っています。 企業としては有効活用することでターゲット層を絞り、大きな宣伝効果を生むことができます。 しかしこのインフルエンサーという存在が企業にとって悪影響をもたらす可能性もあります。 ゴシップや裏情報を取り扱うインフルエンサーには日々色々な情報が垂れ込まれており、その中にはバイトテロの情報も含まれています。 一番最初にバイトテロを発見した人が無名で拡散力がなくても、インフルエンサーがその事柄を取り扱えば話は別です。一瞬にして事件は拡散され、炎上してしまいます。 そのため企業としても早急な対応が求められます。 スマホの発達により、今はだれでもすぐに録画・写真撮影を開始できます。 その手軽さにより、多くの問題行動が映像・画像として世の中に広まり、炎上騒動を引き起こしてきました。 ここではバイトテロとして有名な事例をいくつか紹介します。

バイトテロの事例

【コンビニ内のアイスケースに入って写真を撮る】

2013年は急激にバイトテロが増えた年でした。 その中でも有名なのがコンビニ内のアイスケースに入った写真をFacebookに投稿したケースです。 たちまちに不衛生だと炎上、同店舗のフランチャイズ契約を解除して休業に追い込まれました。 同年8月には宅配ピザの従業員が冷蔵庫やシンクに入って悪ふざけをした写真を投稿しました。 問題が発生した店舗は営業停止や保存食材の破棄、冷蔵庫の清掃などの清掃を行うことになり、フランチャイジーの企業は信用が回復できずに破産に至りました。

【法的措置にまで発展】

2019年には回転寿司チェーン店で事件が発生しました。 当該店舗ではアルバイトの青年が魚の切り身をゴミ箱に捨てたあとにふざけてまな板に戻すという一連の行為が撮影されました。 店舗への抗議電話は3日で約1300件にのぼり、回転寿司チェーン店は関与したアルバイト2人を退職処分にした後に刑事・民事の両方で法的措置を取ることを発表しました。 実際には動画に写っていた人物と、動画を撮影した人物に加えて、動画を故意に拡散した人物の3人が書類送検されました。 というのも、動画を撮影してはじめにアップした人物は、周りに咎められて約3時間後に動画を削除しています。 そののちに、撮影者と友人関係にあった人物が仲違いをして意図的に事前に保存していた動画をTwitterに投稿。そこから大問題へと発展していったのです。 このことから、動画撮影には直接的に関わっていない人物も書類送検されることになりました。

バイトテロの末路

バイトテロが発生した企業は、軒並み信用の低下や破産するまでに至っています。 大企業であれば、本部の対応などで信頼回復に努めることが可能かもしれませんが、経営体力のない個人企業でも起きる可能性があります。 社会問題として浸透したこともあり、世間的にもバイトテロに対しての風向きは非常に悪いです。 そのような中、問題を起こした従業員に対して損害賠償や告訴に至るケースも出てきました。 上記でも紹介したように回転寿司チェーン店は該当アルバイトを解雇処分にしたあと、法的処置を取られ、最終的に書類送検に至りました。 運営する企業としても失ったものを全て取り返すことはできません。 しかし、企業として問題が発生した場合には損害賠償請求をしっかりと行うという意思を明示しておくことで未然に防げるバイトテロもあるでしょう。

対策

若気の至りという言葉がありますが、インターネットはたとえ気の迷いで起こした事件でも克明に記録しています。 フォロワー限定の非公開アカウントで公開した動画ですらも拡散されて炎上の対象となります。 早まった行動をすると、どのようになってしまうかという教育が義務教育で行われない以上、企業として丁寧な研修や実例を踏まえたバイトテロの末路を紹介することは必然かもしれません。 入社時だけではなく定期的なコンプライアンス研修で従業員の意識を常に高めておくことも重要です。 また、実際に問題が起きたときには企業としてどういった対応を取るのかということを明確にしておくことで抑止力になります。

まとめ

バイトテロをしてしまう人は若い傾向があり、まだ人格的にも幼く、その場の勢いで正常な判断ができないままSNSなどに投稿してしまうケースがほとんどです。 実例も踏まえた上で、どのような事になってしまうのか、企業としてどういった対応をするのかをしっかりと伝えることが重要です。 企業としてもバイトテロの問題を放置していると倒産の危機まで追い詰められる可能性があります。 徹底したコンプライアンス研修やスマホの取り扱いの制限などもバイトテロの抑止にはよいでしょう。