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SNS公式アカウント運用ガイドライン策定の6つのステップ

2023年07月31日

読了時間目安: 6分


SNSの普及により、多くの企業が公式アカウントを運用してコミュニケーションやマーケティング活動を行っています。しかし、SNSの運用にはリスクも伴います。
炎上や誤った情報の拡散など、トラブルを未然に防ぐためには、適切なガイドライン策定が必要です。本記事では、SNS公式アカウント運用のガイドライン策定について6つのステップから詳しく解説します。

SNS公式アカウントとは:SNS運用の目的と役割

ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は、個々人や企業が情報を共有し、互いにコミュニケーションを取るためのオンラインプラットフォームです。企業が公式アカウントを運用することにより、顧客と直接的かつリアルタイムにコミュニケーションを取ることが可能になります。この機能性は、企業のマーケティング戦略にとって大きな価値を持つと同時に、その使い方によっては企業の評価を左右する重要な要素でもあります。SNSの公式アカウント運用には、大きく分けて以下の三つの目的があります。

ブランドイメージの形成と強化

企業は自社の製品やサービス、ビジョン、価値観などをSNSを通じて発信し、ブランドイメージを形成または強化します。これにより、フォロワーに対して一貫性と信頼性を提供します。

カスタマーエンゲージメントの促進

企業はSNSを通じて顧客と直接的なやり取りを行い、その関与を深めます。これは新商品の発表、質問への回答、フィードバックの収集、顧客の声の共有など、さまざまな形で行われます。

市場情報の収集

企業はSNSを活用して、業界の動向、競合情報、顧客のニーズや意見などを収集します。これにより、より効果的な戦略立案や製品開発が可能となります。これらの目的を達成するためには、適切な運用ガイドラインが必要となります。

SNS公式アカウント運用ガイドラインの重要性

SNSの運用にあたってのガイドラインは、企業のSNS活動に方向性と一貫性をもたらす役割を果たします。これは、オンライン上での企業のイメージを一定に保ち、消費者との信頼関係を築く上で極めて重要な要素です。また、SNSの運用には、誤った情報の拡散やユーザー間のトラブルなど、様々なリスクが伴います。これらのリスクを適切に管理するためにも、SNS運用のガイドラインが必要となります。ガイドラインを設けることで、企業はこれらのリスクを最小限に抑えつつ、SNSを効果的に活用することが可能となります。

SNS公式アカウント運用ガイドライン策定のステップ

SNS公式アカウント運用ガイドラインを策定するには、以下のステップを考えることが重要です。
ステップ1:企業の目標と戦略の明確化
まず始めに、SNS運用の目的は何か、どのような情報を発信していくのか、ターゲットとなる顧客層は誰なのかを明確に定義します。これらの情報がガイドライン策定の基盤となります。
ステップ2:適切なSNSプラットフォームの選択
次に、企業の目標に最適なSNSプラットフォームを選択します。それぞれのSNSが持つ特性やユーザーデモグラフィックを理解し、自社の目標に合致するプラットフォームを選びます。
ステップ3:コンテンツ戦略の策定
コンテンツ戦略はガイドラインの核心部分です。どのような情報をどのような形式で発信するかを明確にし、その品質を維持・向上させるための指針を定めます。
ステップ4:運用体制の整備
運用体制を明確にすることで、日々の投稿管理や問い合わせ対応、トラブル時の対処法など、具体的な運用方法を共有しやすくします。
ステップ5:反応管理の計画
フォロワーや顧客からのコメントや問い合わせにどのように対応するかを明記します。特にネガティブな反応に対する対応計画は、事前に明確にしておくことが重要です。
ステップ6:データ分析と改善策の策定
SNSの活動を定期的に分析し、それに基づいた改善策を策定します。データに基づく評価と改善は、効果的なSNS運用を維持するために不可欠です。
これらのステップを踏むことで、企業はSNS公式アカウントの運用ガイドラインを効果的に策定することが可能となります。
次にそれぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

ステップ1:企業の目標と戦略の明確化

SNSの公式アカウント運用ガイドライン作成の最初のステップは、企業の目標と戦略を明確にすることです。ソーシャルメディアを利用する目的が顧客とのコミュニケーションの強化なのか、商品やサービスのプロモーションなのかを具体的に定義します。その中で、どのような結果を目指すのか、どのような手段で達成するのかも考えます。これは、SNSの運用方針全体を決定する基盤となります。目標と戦略が明確になると、どのような情報をSNSで発信すべきか、どのようなコミュニケーションを行うべきかが明確になります。また、ターゲットとなる顧客層の特性を把握し、その層が重視する価値やニーズに基づいたコンテンツ作成が可能となり、より効果的なコミュニケーションが期待できます。

ステップ2:適切なSNSプラットフォームの選択

次に、どのSNSプラットフォームを利用するかを決定します。この選択は、企業の目標と戦略、ターゲット顧客層によって大きく左右されます。各SNSプラットフォームは、その特性や利用者の属性が異なるため、これらを十分に理解し、最適なプラットフォームを選択することが求められます。たとえば、若年層にアプローチしたい場合はInstagramやTikTok、ビジネス関連の情報発信であればLinkedInが適しています。同時に複数のプラットフォームを運用する場合でも、それぞれの特性を踏まえた運用方針やコンテンツの差別化が重要となります。

ステップ3:コンテンツ戦略の策定

ステップ3では、どのような情報を、どのような形式で、どのタイミングで発信するかという、コンテンツ戦略を策定します。この際、企業のブランドイメージや価値観を反映した質の高いコンテンツを継続的に提供することが求められます。また、ユーザーの反応やトレンドを踏まえつつ、柔軟にコンテンツ戦略を見直すことも重要です。具体的なコンテンツ作成の際には、クリエイティブな視点とともに、ユーザーが求めるものは何かを考える視点が大切になります。

ステップ4:運用体制の整備

ソーシャルメディアは一方的な情報発信だけではなく、ユーザーとの対話の場でもあります。したがって、ユーザーとのコミュニケーション方針を明確に設定することが求められます。この方針には、ユーザーからの質問やクレームへの対応方法、コメントやリプライの言葉遣いやトーン、また、炎上の際の対応などが含まれます。特に、ネガティブな意見やクレームに対する対応は、他のユーザーに対する企業の印象を大きく左右するため、十分な配慮が必要です。また、ユーザーからのフィードバックを企業の改善や新たな取り組みに生かすことで、ユーザーとの関係性をより強固にすることができます。

ステップ5:反応管理の計画

ガイドライン策定後の具体的な投稿やコミュニケーションの実施に移ります。SNSでは、投稿の頻度やタイミング、内容がエンゲージメント(反応数)に大きく影響しますので、それらを適切にコントロールすることが求められます。また、投稿後はユーザーの反応や行動を分析し、それを次のコンテンツ作成や投稿計画に反映させることが重要です。具体的には、いいね数やコメント数、シェア数、フォロワー数の増減などをモニタリングし、それらの数値により反応の良かった投稿の要素や、ユーザーの傾向を把握します。

ステップ6:データ分析と改善策の策定

最後に、ガイドラインは一度作成したら終わりではなく、定期的に見直しと更新が必要です。SNSのプラットフォームやユーザーの行動は日々変化し、それに伴い企業の戦略や目標も変わる可能性があります。そのため、定期的にガイドラインを見直し、必要に応じて更新することで、効果的なSNS運用を続けることができます。また、ガイドラインの遵守状況をチェックし、必要な場合は社内教育を行うことも忘れてはなりません。

まとめ

本記事では、SNS公式アカウント運用のためのガイドライン策定の流れについて詳しくお伝えしました。まず、企業のブランドイメージや目標を明確にし、その上でSNSの目的とターゲットを設定することがスタート地点となります。その後、適切なプラットフォームを選択し、コンテンツ戦略を策定します。また、SNSはユーザーとの直接コミュニケーションの場でもあるため、その対応方針も明文化しておくことが必要です。その上で投稿・コミュニケーションを実施し、その結果を分析・反映して改善を続けることが求められます。また、ガイドラインは一度設定したら終わりではなく、定期的な見直しと更新が必要です。SNSの運用は企業のブランドや評価に大きな影響を与えます。そのため、企業としてはしっかりとしたガイドラインを設定し、その遵守に努めることが非常に重要です。