炎上解説コラム

またもやバイトテロ発生!企業の対応を検証

2021年11月05日


またもや飲食店でのバイトテロが発生しました。
今回の事案を少し違った角度から見てみます。

まずこの企業が、この事案をどの時点で知ったのか?

撮影は6月4日(金)、ユーチューバーがこの件を取り上げたのは8日(火)22時30分。Instagramのストーリーズへの投稿のようなので、逆算するとどんなに早くても7日(月)深夜以降に投稿されたと考えられます。このユーチューバーが言及してから数十分の間にまとめサイトが作られ、Twitter上でもコメントが増えていきます。つまり炎上の始まりは8日23時前後ということになります。 8日(火)23時にはすでに一般人から店側にも(このユーチューバーからの電話も含めて)問い合わせが入っているのですが、ニュース記事にはその時点ですでにこの企業が投稿内容を把握していたと思われる記述があります。これが事実だとすればモニタリングによる察知はかなり早い段階でできていたと考えられ、評価できます。

その後どういう対応をしたのか?

ネットニュースの取材に対して、「いつ撮影されたものか」「行為についての見解」「撮影(スマホの持ち込み)についての見解」「衛生環境に関する見解」と、ネットで指摘されているポイントや聞き取り調査による事実確認をもとにした回答ができており、事前に準備ができていたと思われます。ただし、「勤務時間内のSNSへのプライベートな投稿を禁止する情報管理教育を年3回行っていますが、」という回答は、言い訳に聞こえるので避けたほうが良い余計な表現だったかもしれません。

従業員教育は十分だったのか?

従業員教育については、力を入れていたのだと思います。しかしこういう事案が発生するということは、従業員が自分ごと化できていなかったと思われます。動画の中で当事者たちは「炎上」を意識していますので、悪いことだとは知っているようです。「フォロワーしか見ていないと思って投稿した」という発言からも、流出するとは思っていなかったようです。アカウントを鍵付きにしていたということなので、書き込みはフォロワーでないと見ることができません。流出は投稿者のフォロワーからと思われます。そこまで深く考えられなかったのでしょう。その点で言えば、教育は不十分だったと言わざるを得ません。 一部のネットユーザがこの動画に写っている店員の名前を特定しようと躍起になっています。流出経路を考えても、身内による特定は時間の問題だと思われます。そうなればデジタルタトゥーとしてその事実が残り続けます。学生だとすれば今後の人生にも影響するでしょう。そういう悲劇を産まないためにも、効果的な教育が必要です。体験してみて初めてわかるネットの怖さ。できれば疑似体験で済ませましょう。